2台製作
1台目が無事成功したので、しばらくそれで聴いていたのですが、気に入りすぎて欲が出ました。これを左右独立でバイアンプで使用すると、さらに音質が向上するのではないか?と思った次第です。
というわけで、結局、同じものを2台製作して、1台は嫁入りしました。以下、手放す時にヤフオクに記載した内容の抜粋です。(2001年10月完成作)
バイアンプを試したものの、思ったほどの音質向上にはなりませんでした。正直、あまり変わらないかな?というレベル。オーディオのセオリーからは、とても効果的な手法だと思うのですが、この結果は残念かつ不思議です。散々楽しんで、次のアンプが作りたくなり、資金とスペース確保のため、その後、ヤフオクで手放しました。
商品説明
※長文ですが、オークションに出品するときに掲載した説明文です。
サンオーディオのEL34シングルのキットを組みました。オリジナルではなく、ごく一部改造してあります。また、ヒノオーディオで購入したため、パーツの一部を同店でチューンナップしてあります。
どこを改めたかというと、当方KT88の膨らみのある低音が好きで、その日の気分によって出力管をEL34と無調整で差し替えて楽しめるよう回路定数を調整しました。よって、出力は定格より少し落としてあります。
写真でお分かりのように出力管は中国NATIONAL ELECTRONICSのKT88(ペアチューブ)での出品とさせていただきます。オリジナルの定価は、キットで59800+10000の69800円、完成品だと95000+10000の105000円となります。オリジナルの説明は http://www2.big.or.jp/~sunaudio/sv/svel34se.html 及び http://www2.big.or.jp/~sunaudio/sv/sv6v6se.html をご参照ください。
約2年使用しましたが、メインで使ったのは約1年です。他の同価格帯クラスのアンプや自作品などにはあまり見られないような頑丈なシャーシに、いかにも管球アンプとしての堂々とした配置で見た目も高級です。別売りでフロントパネルやボンネットも入手できます。海外でも評価され無事故での製造実績やサンオーディオの親切なサポートも安心できます。また、気軽に出力管を差し替えられるため管の種類やメーカーによる違いを楽しめます。
その音質の違いがはっきりと出る素直な特性で、EL34(6CA7)、KT88、KT100、6550などを試してみました。GECのKT88を試したかったのですがオークションで中古品すら入手できず(とにかく人気で高く値段が法外につりあがります)断念しました。
今まで試した中では、松下製の6CA7がダントツですばらしく、中国製KT100もよかったです。管球アンプの期待を裏切らないやわらかい音質で、色気たっぷりです。ハムも全く気になりません。ボリュームは使っていませんでしたが、ガリもなくCDプレーヤー直結でもOKです。
最近初段管にRCAのメタル管を入手して写真ではそれが写っていますが、1番ピンのアースをしていないため、元のロシア管に変えさせて頂くか、ご自身でアースされるか、落札後のご希望で対応します。
また、整流管も写真ではMAZUDAの高いやつが刺さっていますが、これは貴重品なのでオークション出品はロシア管または中国管とさせていただきます。(応相談)
エンブレムはサンオーディオのものをつけていますが、ヒノオーディオのチューンナップ品ですのでそちらのエンブレムもありますのでお付けします。説明書はもともと回路図のみですがそれをつけます。配線もシングルで簡単ですので、はんだ付けが出来る方は、線材のアップグレードで容易に安価に更なるアップグレードが出来ると思います。
保証書はないですが、そんなものはなくてもサンオーディオは秋葉原の実績あるガレージメーカーゆえいつまでもサポートしてくれます。
同社は放送局機器のトランスを製造している自作アンプ界では高級品で有名なタムラのトランスメーカー出身だそうで、製品も全てトランスはタムラ。この製品も一部で出力トランスは安物と揶揄されますが、そうではなく大量発注によるコストダウンで、品質は上質です。管球アンプが高いのは、トランスなど部品が少量生産せざるを得ないからだといわれます。実際、このクラスでも部品を買い集めるとそれだけでかなりの額となります。
実は、この製品を気に入ってもう1台購入してバイアンプで使っていましたので、ご希望があればオークション価格の×2で2台おゆずりいたします。2台目はシールドケーブルをアップグレードしていますが、音質差は感じません。
オークションの結果
オークションでは、実に多くの方に注目いただき予想以上の入札状況となりました。
結局、栃木県のN氏に落札いただきお届けしてきました。
N氏は趣味でギターを演奏される方で、小型のスピーカーを自作していてそれで試聴してみました。
スピーカーの素性も良いせいか、「こんなにいい音だっけ?」と思ってしまったくらいチャーミングに鳴りました。
いくつか、真空管も差し替えてみましたが、整流管のMAZDAのアンティーク管を気に入っていただいて、予定外にそれもお譲りしました。(もう1本あるし)
2台目をどうするか?
2台目は、手放す気になれずいい預かり手いないかなとか思いました。
一方で、ヤフオクで、ゴールドライオンのKT88ゲットしました。はじめはそうでもなかったのですが、新プリに繋ぐと想像以上の音質に悶絶しました。やはり、球転がしは効果的です!
預かり手募集に応募されたYamさんのもとへ
そうこうするうち、サイトを通じて問い合わせがあり、気鋭のギタリスト(エレクトリックギターのスタジオミュージシャン)Yamさんに貸し出しとなりました。
以下はその経過報告。
報告その①
先日の対面時には、誠にお世話になりました。
それにしても百十番様、お子様の音は最高ですよ!
今日一日セッテイングを工夫してみたところ、異様な速度で成長なさいました。まあ、お子様の下に18mmのスプルース板とシナ合板12mmを敷いただけですけど、それだけでも効果絶大で明らかにキレと音圧が増えました。
近日中にCDプレイヤーに強化硝子を載せ、プリの下にも薄い強化硝子を敷きますので更なる成長が楽しみでしょうがないです(w
その②
どうも、ご無沙汰しております。
少々多忙でしたので、ご連絡の程遅れて申し訳ありません。
(お子様の音を聴いてか)最近、『やはり自作してみたい』という衝動を抑えられなくなりつつあり、キットから初めた方が良いのか、いきなり完全自作にチャレンジするか迷っております(笑ただ、時間的拘束が断続的に厳しい状況なので、現実にはまだ先のことになりそうですが・・・。
まず百十番様ご来訪後から数日経って、コントロール⇒パワー間のケ-ブルをNEGLEX 2497に変更してみました。
NEGLEXは2803で失敗をしたので、正直、不安でしたが・・・以外にマッチングに成功し、明らかに低音域のパワー、音場が良くなりました。調子に乗り、プレイヤー⇒コントロール間を2803にして見た所、以前とは違い良い方向にまとまり、『ケーブル同士の相性も馬鹿に出来ない』ということを痛感致しました。
さて、話が少々脱線してしまいましたが、お子様についての経過をご報告させて頂きます。
前述のケーブル変更とお子様に使用させて頂く電源ケーブルをソルダーノ付属の業務用に変更した所、音のキャラクターに明白なまでの変化が現れ、もはや依然とは別物の音で鳴っております。文章構成が稚拙な為、幼稚な表現で申し訳ないのですが・・・現在使用させていただいている真空管を、百十番様がお持ちになったヴィンテージ真空管と差し替えた時と同程度の変貌に、もはや筆舌にし難い程です。
故あってか休日の折には8時間、平日でも3時間以上御使用させて頂いている状況で、それでも聴き足りないほど魅了されています。
ラフマニノフのチェロ・ソナタにおいては艶のある弦、モーツァルトのピアノ協奏曲20番でのビビットなピアノ、メンデルスゾーンの八重奏曲における重厚な音・・・と、CDを際限なく聴いて、思わず時間を忘れてしまうほどです。
クラッシックばかりを列挙してしまいましたが、バラード系以外は百点満点です。唯一の弱点となってしまったバラードも、異常なまでに出る低音(しかもアタッキー)を気にしなければ大丈夫かと思われます。
現状ではまだ判りませんが、新たにDIATONEのDS-77 Z(専用台付き)を手に入れられるかもしれないので、その折の更なる変貌が楽しみです。
追伸
件のヴィンテージ真空管では、いったいどのような次元の音がするのかとか思っちゃたりしています。
イヤハヤ・・・全く、もって奥が深いですね。
ただ、電気代が少々怖い今日この頃です(笑
残念な追記
その後、Yamさんと連絡が取れなくなり、アンプは戻ってきませんでした。このことがあって、「貸し出して募集」は休止しました。
Yamさんについて、心当たりのある方は、ご連絡お願いします。