基本的にトランスポートにLinuxを使った時の音色が好きで、ラズパイオーディオも4年くらい前にかなりハマりました。
当時、その時点では最も音質的に評判の良かったES9023を搭載したDACをフランスのECショップから個人輸入したり、じんそんさんが配布したフィリップスのマルチビットDACを購入したり、ラズパイオーディオもいくつか専用DACボードを集めて楽しんでいました。
アナログ盤のカートリッジのように、はたまた真空管のように、交換して楽しめるので、ついつい集めてしまいます。
入門動画がないのに気がついた
最近は、システムに手を加えるのと同時に、YouTubeにオーディオ関連動画を公開するのがすっかり楽しくなっています。
動画編集というのが、慣れてくると面白くなって、動画を作って公開すると反響(オーディオ仲間や友人などの身内含めて)があるのも励みになって楽しさが増します。
そこで、テーマをいろいろ考えていくうちに、YouTubeでは物を作ったり組み立てたり開封したりという「作業動画」が人気があるのですが「ラズパイオーディオ」については、関連動画が見当たりません。全く無いわけではないですが、まともなものが見つけられませんでした。
これからでも、ラズパイオーディオをやってみたいという人は、爆発的にはいなくてもある程度いると思いますので、入門動画がないというのも不便だと思います。サイトやブログはたくさんあるのに、YouTubeでそれなりのジャンルで入門動画がないというのは珍しいことです。
facebookの仲間が応援してくれた
簡単に考えていましたが、いざ初心者に説明するとなると、撮影も編集も結構大変でした。試作段階でfacebookのグループ「Raspberry Piでオーディオしま専科」の仲間がかなり盛り上がってくれて応援してくれました。
字幕の間違えなども指摘してくれて、これには大助かりです!
「ラズパイオーディオ入門」何とか完成
完成したのがこちらです。
完成後の試聴で驚き
入門ですからラズパイOSは、もっともポピュラーなVolumio2を使いました。OSのインストールも説明するため、最新版を使います。
ラズパイ自体は、以前からの2Bで今時のラズパイ4より2世代前ですが、最新版も音出しまでは問題なく行きました(2Bでは役不足なのか詳細設定が上手く行きませんが、デフォルトでもほぼ問題ないので)。撮影終了後のヒアリングのために、Roonのプラグインができていることに気付き、それを入れて聴いてみました。
すると、以前の印象とは異なり、かなり良い感じです!
時々、はっとするような生音感
全体的には、付帯音の少ないやや締まった上品な音と受け止めました。
以前もこのDACは、最初はいいなと思うのですが、継続しているとチョット物足りなく感じて、メインとして使うことがなかなかない、、そんなことを繰り返してきたんですが、今回もその傾向もありつつ、何か伸びしろのようなものを感じます。
この、時々楽器の方を振り向いてしまいそうな、はっとするような生音感は以前にはなかったと思います。
やや不満点とすると、もう少し音の厚みとメリハリが欲しいところです。
OSもシステムも進歩して
今回使っている専用OSの「Volumio2」は、今もバージョンアップが続いているので、音質的にもかなり進歩したように思いました。
一方で、データの送り出しにRoonを導入したり、このところ集中的にやったオーディオの電源対策など、システム全体の改善も、効果が出ていると思います。
DACはES9023
使っている専用DACボード、つまり、DAコンバーターは、アメリカのESSのものです。
ハイエンドDACは、このESSと、日本の旭化成(AKM)が世界の市場を二分する状況が続いています。どちらかというと旭化成の音が好みですが、今回その考えが揺らぎ始めました。
ESSの音の傾向は、端麗辛口で、高精細だけれども、、やや薄い・水彩画のような印象を持っています。最近知ったのですが、これは、クロックなどの、回路設計でまた傾向が変わってくるようです。
今回使っている、そのESSのDACチップは「ES9023」というもので、末尾の数字が「23」。
最新のハイエンドが「ES9038プロ」で、末尾が「38」ですから、性能的には少し古くなってしまっています。
ラズパイ用も、「ES9038Q2M」という、まあ同じ末尾が「38」で、ハイエンドの一つ下のクラスのモノが市販されています。マニアによっては、9038プロの乗ったボードを、海外から取り寄せて、ラズパイなどとI2S接続して楽しんでいる上級者もいらっしゃるようです。
というわけで、今後チップを最新版にしていくということは当然考えたいですね。
その前にやっておきたいことが
やっておきたいことが何かというと、それは「ケーシング」です。
ラズパイやラズパイオーディオ用には、いろいろケースが販売されていて、もちろん自分で作ったり加工しても良いと思います。
オーディオの場合、電子回路には電磁波が飛んだり、通信や放送の電波が入ってきたりするので、電磁波対策として電気を通す金属のケースに入れるのが一般的。もう一つ、振動対策というのも、オーディオでの「ケーシング」のメリットと思います。
電気が流れたり音が出ると、機材も微妙に振動しますので、それを上手にコントロールすることは、ハイエンドオーディオでは常識になっていると思います。
今回手に入れたのは、AVIOTというブランドの、「ケースゼロワン」という2017年に発売されたもので、もうすでに製造終了して、後継機も出ていません。
当然、公式ショップでも販売終了になってあきらめていたのですが、まあ何と、大阪にっぽん橋の共立エレショップで、在庫が1つだけ残っていて、これで選択の余地なく購入しました。ラズパイ本体よりも高くて、送料込みで16,368円。
ワンボードオーディオ・コンソーシアム
このケースは、日本のラズパイオーディオを推進する「ワンボードオーディオ・コンソーシアム」の規格で、このコンソーシアムの発案者の、海上忍氏がプロデュースしたものです。
海上氏は、ITやAV機器のコラムニストで、ラズパイオーディオに関しては、国内の宣教師のような人。ラズパイオーディオの連載なども執筆していて、海上氏とは、試作品段階で、話しをする機会(ヘッドフォン祭り)がありました。
ここでプロデュースされた「ケースゼロワン」は、電磁波対策の銅板が組み込まれたりしていて、他の一般的なものと、一味違います。
「発売されたら買います」
というふうに、お話ししたものの、値段もネックでそれっきりになっていました。
その時「加工精度がなかなか出ない」という話をされていましたが、大手メーカーの量産品と違い、その辺りは難しい点だと思います。
事実、今回組み立てたのですが、ネジ穴の精度が低かったり、結構大変でした。
さっそくリスニングしてみた
これは確実に良くなっていると感じます。
もちろん主観ですが、、、これまで不満だった「音の厚み」が程よく改善されています。
これによって、時々、生音のように感じて、楽器の方を見てしまう、というのが「ときどき」ではなく「しばしば」に変わりました。
音のピントも高まったようで、実体感が結構高まっているような印象です。
この後、その日は次々聞きたくなって、システムから離れられなくなりました。
フェイスブックに報告すると、今より新しいラズパイのボードを、安く譲っていただける、というお話をいただいたり、Volumio2以外のOSも試すことでオーディオ仲間と盛り上がりました。
ラズパイオーディオ恐るべしです!
上記の顛末を、動画にまとめました
空気録音もしてみました。
その後、こんな実験もしてみました。
動画制作にあたり、FB仲間のTさんに多大なるご協力をいただきました。ありがとうございました。
https://wiki3.jp/sqbt/page/29 (TさんによるpiCorePlayerのwiki)
コメント 他者への誹謗中傷はお控え下さい