2020年オーディオ的に効果の有った音質向上策 -5選- 最後の五位は、Roon Server

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(本記事は、「自作真空管アンプのホームページby百十番」から移転しました)

これからはストリーミングの時代

今、世界のオーディオマニアの一般的スタイルが変化しようとしていると思います。これは、アナログ盤からCDに変わった時や、PCおよびメモリープレーヤーで音源が扱えるようになった時(リッピング・ダウンロード・CD-R焼き込み・USBやSDカードおよびデジタルミュージックプレーヤーなどの普及で)くらい大きい一台変化だと思います。さらに遡るとアナログ盤がSPからLPに変わった時のような大変化です。

メモリープレーヤー(デジタルミュージックプレーヤー)は、それまで必須だったCDやDVD、MDおよびアナログ盤や録音テープといった音源のパッケージから解放されました。ついでに、機械的には回転するモーターからも解放されました。これは大きな変化でした。

しかし、まだそれらを管理するために、CDなどのパッケージからPCなどで音楽を取り込むか、ネット上でダウンロードする必要が生じていました。しかし、クラウドのサブスクリプション(定額使い放題)によるサービスが本格化し、少なくとも自宅で音楽を聴く場合において、クラウドのサービスと使えばそうした手間(パッケージにおいては保管する手間やスペースも)から解放されます。

以前ある人が、クラウドのサービスを銀行預金に例えました。古くは(今でもフィリピンの庶民などは)人々の資産(ストックではなくフロー部分)は現金で、タンスや金庫または財布に入れておくのが当たり前でした。しかし、それでは天災や家事などの事故および泥棒などからの被害リスクを考えると安心できません。銀行や郵便局に預けておけば万一の場合も(通帳や印鑑をなくしたとしても)安心できますし、利子もついて経済的です。手元にモノを持つのではなく、信頼できるところに保管するのがより文明の進んだ形ではないかという話です。

音楽も、大手のクラウド事業者(通常世界規模で運営)がまとめてレコード会社やアーチストから音源をデジタルデータで預かり、彼らの大規模なサーバやストレージに保管し厳重にバックアップされるというストリーミング事業者の方が安全安心ではないでしょうか。ユーザーは、聴きたい時だけストリーミングで聴けばよいわけです。

映画やドラマの話の方がピンとくる

というような話をよくするのですが、なかなかぴんと来ない人も多いようです。 そこで、よく映像パッケージの話をします。以前は、VHSなどのテープに気に入った映画を録画したり、レンタル店のTVドラマが録画されたテープを借りに行ったりしました。その後、DVDやブルーレイに変わりましたが、物理的なパッケージを手元に置くのが基本でしたね。

ですが、最近はHuluやNetflix、アマゾンプライムビデオなどのストリーミングが普及して、パッケージやレンタルは徐々に活用度が減っています。音楽も同じでは?という話をすると、昔の世代がVHSやベータマックスのテープコレクションをしていた話になり、それもそうだと同意してくれる人が増えてきました。

音質も、ハイレゾストリーミングも始まり、パッケージを凌駕するケースも増えつつあります。

ストリーミングがあまりにも良かった

私も、オーディオイベントで上記のような話を聞き、CD音質では質量ともに充実していたDeezerを契約しました。音質はリッピング作業を伴わないので、CDリッピングデータよりも良い場合が多く、ダウンロードと同等に感じます。

聴きたい曲を、聴きたい時に検索して呼び出す(良く聴く者はお気に入りに入れて)ので、まるで我が家に巨大なCD倉庫がバーチャルに出来上がったような便利さです。ストリーミングに無い、特殊な音源を除いてCDを買ったり有料ダウンロードすることもなくなったので、むしろ経済的です。

コアユーザーの場合は、音楽業界に対する可処分所得が減るので、音楽業界にはダメージかと思いきや米国の事例では、むしろすそ野が広がって音楽紹介全体のパイは増えているそうです。

TIDALを契約してハイレゾストリーミングを

Tidalの画面
契約したTidalの画面

Deezerはとても満足度が高かったので、オーディオマニアとしては、さらなる音質向上のためにハイレゾストリーミングに目が行きます。そうした時に、新しい画期的なハイレゾ技術であるMQAを備えたTIDALが工夫すれば契約できることが分かりました。

早速契約してみると、日本では正式サービスを開始していないことも有り、JPOPなどの国内アーチスト音源は少なく、文字も英語となり少々不便で物足りません。しかし、Deezerより安く使えるしクラシックやJazzといった国境を問わない音源はとても充実しています。

昨年導入した「Roon」

というわけで、MQAによるストリーミングを使い始めたのですが、従来の長年貯めてきた音楽ファイルもまだまだ聴きたいこともあります。そのどちらを聴くか、毎回選ぶ手間が生じます。悩ましいのはクラシックやジャズでは、その両方に同じ音源があることです。そうした場合は、クラウドの方が音質が良かったり、数種類のリマスターを聴けたり充実していることが多くあります。

手元のミュージックライブラリかクラウドのライブラリかという悩みを解決してくれるおそらく唯一のソフトウェアが「Roon」でした。この場で詳しい説明は省略しますが、自分のNASにあるライブラリとTidalを一緒に管理・検索できてMQAにも対応しています。その他、いろいろなメリットもあり、ソフトウェアとしてはかなり高額でしたが、思い切って生涯ライセンスを購入(原資はふるさと納税)しました。

音が良いという評判の「Roon」だけど

日本語への対応力を除き、使い勝手は非常に良いです。しかし、しばらく使っていると音質的にはあまり向上した感じがしません。どうもその能力を使いこなせていないと思い、導入したのが「Roon」と相性の良い第一位にあげたDAC「meridian(メリディアン)218」です。Roon  Readyという、Roonの能力を高度に引き出せる「RAAT」という伝送方式に対応したネットワークプレーヤーです。

Roonの画面。例としてアーティストのページ。様々な情報をネット上から集約し、リリース盤やその詳細なクレジット情報(録音エンジニアなどマニアックな内容も)表示したり、その繋がりで他の関連音源を検索可能。

しばらくは、これで満足したものの

オーディオマニアのサガか、こうなると、更にRoonの能力を高く引き出して高音質化したいと願ってしまいます。そのための様々な工夫や実験の後にたどり着いたのが、今回一位の「Roon Server」です。詳しい説明は別に記事にします。一言でいうと「専用パソコン(サーバー)」です。音源管理やデジタルファイル再生の複雑な演算を、通常PCオーディオで使っている日常使いのパソコンではなく、専門のモノを仕立てて、LANで連携させる方法です。

海外ではこれが猛烈に普及しつつあって、高価は高いと聞きました。Roonの開発元が純正で出しているものは、30-60万円台とかなり高価。その他、サードバーティーや、比較的簡単にできるインテルの小型PCなど、このサーバーとして使う機材は多くの選択肢があります。基本的には、一定以上の性能であれば普通のパソコンなら何でも良いわけです。Windows版、Mac版、Linux版とソフトウエアは無料で公開されている仕組みです。

海外の掲示板などを読み漁って、結論としては、小型のベアボーンキットで自作PCを安く(今回3万円弱)作れば、非常にコスパが良いことが分かりました。

具体的なことは別記事にしますが、出来上がって聴いてみると、予想以上の音質向上にビックリでした。

なお、パソコンの組み立てはとても簡単なので、パソコンが苦手な家族にやってみてもらいました。それを動画にして公開しました。

画像クリックで動画再生>>

Roonサーバー構築の詳細をまとめました

Roon Serverの自作(Linuxベース、2020.6月)
(本記事は、「自作真空管アンプのホームページby百十番」から移転しました) RoonとRoon Serverについて Roonとはどういうものかとか、導入のいきさつは以前の記事をご参照ください。 本記事の続編も公開しました 格安で構築したい

<2020年オーディオ的に効果の有った音質向上策 -5選->
まずは第一位のDAC>>
 第二位は、ウルトラハイコスパの仮想アース>>
第三位は、中村製作所 ノイズ吸収リングコア アモルメット・コア>>
第四位は、サンシャイン電源ケーブル(SAC REFERENCE1.8)>>
・ 第五位は、Roon Server(この記事)

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