2023年6月1日に多くのオーディオ仲間から惜しまれつつ、急病により他界された札幌市の植木ラボ代表、植木守様の1周忌が過ぎました。
今回は、生前の植木さんとのお約束に基づいて、彼が心血を注いで研究した研究成果を無駄にしないために、一般公開するために、本ページを制作しました。
生前のお約束とは
上のページに詳しく記載しましたが、私が連絡を受けたのは「余命1か月」のタイミングです。
その後、病床の植木氏とやり取りしながら、札幌に赴きオーディオ師匠の関井氏を訪ねてお話を伺ったりサンプル(ケーブルの試作品類)を入手しました。
どこかのメーカーに製造を引き継いでもらうか、研究成果を買い取ってもらうということがご本人の希望でした。とはいえ、私自身はオーディオ業界のプロではありませんし、それを実現するための人脈やノウハウもありません。当初は固辞したものの、他に受け手が居ないという話で、私ができる範囲の活動を行うお約束をしました。
サンプル入手や資料化はしたものの、メーカーからはなしのつぶて
開始段階から深刻な問題が待ち受けていました。研究・製造ノートが無いのでした。ほぼすべては植木氏の頭の中にあります。そして本人は面会謝絶の病床で、おそらく管やケーブルに繋がれた状態です。
そうした状態ながら(正直私は反対しましたが)、植木氏は病床の中からスマホでメモを作成し私に次々送ってきました。私はそれらを自分なりにまとめ、まとめた内容や不明点を見てもらうという作業を何度か繰り返しました。
当初は、メーカーに買ってもらったり電子書籍などの自主出版も視野に入れたのですが、出来あがった資料は、生煮え状態です。私自身ケーブルの専門家でないためもあり、これを基に製造してみろといわれても自信が持てない内容です。
そのため、最終手段としてネット上に公開し、解読したり参考に出来る人が居れば、自由に活用してもらおうという事で公開いたします。
技術的な内容等にご質問頂いても、私からは返答・解説できませんので、予めご了解ください。
1社のみ試聴・評価いただいたので、それについては最後に
1社のみサンプルの試聴と評価をいただいたので、その内容は最後に記載します。当然ながら、かなりの高評価でした。
他社については、自作系オーディオケーブルの情報が巷に氾濫しているためか、何ら返答をいただけませんでした。
「植木ラボ/植木研究所」について(公式サイトより)PROPOSAL
公式サイトに記載された内容を、公式サイトが閉鎖される場合に備え改めて転記します。
私の製作する作品は、同じ趣味を共有する方々に多くの支持を受けています。その音楽を作り出す考え方についてお話を致します。
音楽を奏でる楽器であるオーディオシステムは原音に近く、自然に聞こえる事を目指しています。
その為には、今までのオーディオシステムでは、気にされていなかった空気中の磁界や電界の中のオーディオシステムに与える音の振動から発生するノイズを徹底的に研究してきました。
これにより、この考え方で皆様に発表できる製品が完成いたしました。
どれをとっても満足を頂いています。先ずは、ご覧ください。
公式サイトの製品説明(転記)
製品群
1、アンプ類 —– 1 DAC
|– 2 プリアンプ
|– 3 フォノイコライザー
|– 4 パッシブアッテネーター
|– 5 パワーアンプ
|– 6 パワーアンプ
2、ケーブル類 —– 1 シェルリード線
|– 2 アーム内配線用ケーブルキット
|– 3 フォノケーブル
|– 4 インターコネクト(RCA)(XLR)
|– 5 スピーカーケーブル
|– 6 電源コード(キット含む)
|– 7 電源タップ(キット含む)
|– 8 ディジタル音声ケーブル
|– 9 USBケーブル
1、アンプ類
各製作のアンプ類は、外部から及び内部で発生するノイズを徹底的に除去し、より原音に近くなっています。
大事なことは、入力信号に対して如何に忠実に増幅するかですで、これを実現いたしました。
1-2 プリアンプ
内部のノイズの発生を徹底的に排除し、更に一つ一つの電子部品がノイズの影響を受けないように極小化しアンプユニットごとのモジュール化をしています。
これにより、繊細で力のある表現が出来ます。
内部を流れる電気信号の配線は、電気の流れを妨げない自然な流れです。これを追求した結果が内部配線の清楚さとなっています。
2、ケーブル類
各ケーブルは、音の振動からのノイズが発生しないケーブル構造を徹底的に研究して完成いたしました。
2-1 シェルリード線
レコードの音楽を電気信号に変えるカートリッジの能力を余す所無くシェルに伝える事だけに集中して開発しました。
2-2 アーム内配線用ケーブルキット
アーム内の配線交換用のキットで特殊製作をしたエナメル線を採用。
2-3 フォノケーブル
今までにない2線式〜4線式のバランス構造により外部ノイズの混入を極限にまで激減させています。これにより小信号のレコードプレーヤー出力を余す所無くプリアンプに送っています。
2-4 インターコネクト(RCA)(XLR)
特にRCAタイプは、今までにない2線式~4線式のバランス構造により外部ノイズの混入を極限にまで激減させています。これにより今までのRCAケーブルとは数段違うプレーヤーの感情が伝わってきます。
最上位モデル
最上位モデルの構造は4線式バランス構造です。これによりシールドに流れる不要な電流を排除することにより、ケーブル自身から受けるノイズを最小にしています。また、4線式の構造はバランス構造ですので心線とシールドのコモンモードノイズを除去しています。非常に静かで、繊細で、十分な音場を味わう事ができます。
構造 :クワッドコア(4線式) 線種 :Pc TripleC
2- 5 スピーカーケーブル
今まではそのケーブルの太さ等が主に判断基準とされいましたが、今まで良く分かっていなかったノイズの影響を極限まで減少させています。
2-6 電源コード(キット含む)
電源コードは、インターコネクトケーブルと同様にシステムへのノイズの影響が最も大きいケーブルの一つで徹底的なノイズの排除をしています。
2-7 電源タップ(キット含む)
外部から受けるノイズを徹底的に除去し、質の良い商用電源を各機器に分岐供給します。2-6の電源ケーブルの使用をお勧め
2-8 ディジタル音声ケーブル
データがデジタルでもノイズの影響は大きい。徹底的に排除しました。
開発のきっかけ
そもそも私はアンプ作りが趣味でDACやプリアンプやパワーアンプを作っていました
この時の課題は「どうやったらノイズを小さくできるか」で、徹底的にこれに取り組んでいました。
おかげさまでノイズに強く静かでハイクオリティーなDACやプリアンプやパワーアンプができていました。スピーカーからの振動を徹底的に落としました。
この時のノウハウがケーブル作りに生きている事は間違いのないことです。
2018年秋口からPC-Triple Cに興味を持ち、ケーブル作りの真似事をし始めました。
これはその時に作っていた、DACやプリアンプの内部配線に高音質のケーブルを探していたことからのスタートでした。
「電線評価。2019年4月」に掲載しました。ご覧ください。
※札幌オーディオ同好会のサイトはすでに閉鎖されていますので、内容を要約して掲載します。
札幌オーディオ同好会にて、「カナレOFC」「オヤイデ102SS」「Pc TripleC」「モガミ2497」「Pc TripleC+モガミ2497」をDACープリ間に入れて比較試聴。「Pc TripleC」の評価が高かった。
札幌オーディオ同好会のサイト(すでに閉鎖されていました)
その中でDACとプリアンプですか線材はPC-Triple Cに決めました
その時、友人のプリアンプと私のプリアンプ、これは初めてPC-Triple Cを使ったセットになります。「最新プリアンプ。2019年11月」
札幌オーディオ同好会による、植木守氏製作のプリアンプ試聴。会場でも半田付けをしていたという出来立てほやほやながら、繊細で聴き疲れしない音と好評。
札幌オーディオ同好会のサイト(すでに閉鎖されていました)
2018年の秋から2019年は、ひたすら新規ケーブルを作って
毎週の様に作ったケーブルを持参して、音楽プロデューサーの関井久夫 オーディオさんのスタジオに通いつめていました。
そんなある日、関井さんが「音が詰まっている」と言うのです。
同じケーブルを2本作ってくんないかと言うので、2セット作りました。そして1本を逆向きにして繋いだらすごく良くなった音ができました。
このようにして、ケーブルを製作しやがて販売するようになりました。並行して、関井さんやスタジオ関係者、札幌オ―ディオ同好会の仲間など(地元の人脈としては約30人くらい)にイベントやミニオフ会で随時試聴をしていただき改良を進みました。
※オーディオの師匠と称する関井久夫さんとは、植木さんがお亡くなりになる直前の2023年5月にお会いしました。
※以下、植木氏ご本人のメモからの転記です
製造レシピ1:逆接続で、音がナチュラルに
一般的に電線は、電線に書いた文字を左から右に読めるように合わせると左から右に信号が流れたときにきれいな音になる。これは、オーディオ的にはよく知られたことです。
PC-Triple Cではさらに強くこの傾向が出るようです。
そこで2本電線を用意して、一方を左から右に読めるように、もう1本を右から左に読めるようにして撚っていきます。
これにより大変自然の音になり、帯域も広がり聞いていて、ゆったりと聞こえてくるのです
実際の構造とは
皮膜を取り除いた素線を右方向に1本、左方向に1本を取り出して逆方向の2本を寄ります。本数が多くなっても同じ様に例えば50本であっても逆方向と併せて100本を撚って作ります。
製造レシピ2:ノイズキャンセルのツイストペアケーブルとは!
ノイズに強いはずのツイストペアは、ある種類のノイズに弱いのです。
今まで、ツイストペアのノイズ減少方法ですと対応できないノイズが有りました。
このノイズを取り除くと、別世界の静けさを得られ、広がりの大きな音楽を聴けます。しかも、楽器やボーカルのディテールが感じ取れるのです。
このノイズを「内部磁力線」と呼ぶことにします。「内部磁力線」を下げると、とても静かなケーブルが出来るのです。
「内部磁力線」のノイズキャンセルとは!
ツイストペアに流れる信号は2本の電線を通ります。1本で次の段へ流れ、もう1本で帰ってきますよね。
この時、次の段に向かって信号①が流れると、信号の変化に合わせて磁力線①が発生します。
この磁力線①が、もう1本で帰ってきていない電線に磁力線①の変化に対応した信号②が流れると、考えています。
この信号②は帰ってくる信号とは違いますのでノイズになります。これが煩わしいケーブルの原因だと考えています。
実際の構造
ツイストペアの場合、一方をホット、もう一方をコールドで使います。
ホットを上に配置、コールド下に配置します。この状態で左右に1本ずつ合計2本の電線を配置します。
この電線2本を左右に配置します。ツイストペアケーブルはこの4本で構成します。
左右に配置した。電線2本は入力側のコネクター及び出力側のコネクターで、グランドまたはシールドに落とします。これにより同じマイクケーブルでも、相当静かに細かな音まで聞こえてきます。
なお、ガイド線では役に立ちません。
このツイストペア構造は、PC-Triple Cの逆接続とともに、ueki-labケーブル作成で全部のケーブルに使われているノウハウです。
製造レシピ3:コモンモードノイズを遮蔽するシールド構造とは
このシールド構造は、簡単な構造ですが、絶大なる効果を発揮します。
例えば、LINEケーブル、デジタルケーブル、USBケーブル、各テーブルに置いて、この構造を使用することによって、ワンランク及びツーランクテーブルのクオリティーをアップします。
ちなみにノーマルグレードのケーブルであれば、このシールド構造を採用すると、ミドルレンジ、ミドルレンジのケーブルがあればハイエンドまでノイズが小さくできます。
これにより今までは、実現し得なかった低ノイズレベルのケーブルが仕上がります。何十万円もの費用をかけた方がこのシールド処理をしたデジタルケーブルとUSBケーブル、これに交換してしまいました。
実際の構造とは
同軸デジタルケーブルのDG-STMを例にして説明します。
構造はいとも簡単です。このケーブルの外側に同軸ケーブルのシールドを通すだけです。
片側をプラグのシールドに落とします。片側は落としません。
信号の流れは、シールドを落としてない方から落とした方に向かって流れます。
ちなみに、この簡単な作業で、ボーカルの抑揚までが聞き取れ、奥行きも出て、クラシックですと、楽器、一つ一つのディテールまで聞こえてきます。
※ブログ主注釈:同軸ケーブルはもともとシールド線ですが、片側を落とすというのは2重シールドにした外側のシールドだそうです(質問しました)
製造レシピ4:コモンモードノイズをフェライトビーズで消す
※ブログ主注釈:この対策はオーディオ用USBケーブルの電源ラインに使用するもの
私の作る電源振り方、USBケーブルは、卓也は1本PC側1本、外部電源が1本の分岐タイプでした。
これはPCから直接DACに接続して音質向上ができる手法です。
このPCの電源ケーブルのDAC側にフェライトビーズを入れることによって、電源側に乗っているコモンモードノイズを除去します。
使用フェライトビーズ:アミドン製:FB-101(外径3.7、内径1.4、高さ3.3)、(インピーダンス 10M 50M 145M → 15 30 38Ω)
※在庫限りとなっているため、SNS共有画像を貼り付けておきます。
このコモンモードノイズフィルターの作り方
直径0.3から0.4ミリメートルのエナメル線を2本並列に3ターン、巻きます。
このコモンモードフィルターをDAC側の電源ラインに設置して、使用します。
製品への応用(開発の軌跡)
※ブログ主注釈:こちらの内容は、開発の軌跡をメモ化したもので、資料として転載しておきます。レシピの使用を<対策ナンバー>で表記しました
●2020年12月以前 試作を友人と試聴
電源ケーブル/ラインケーブル/スピーカーケーブル
1、逆接続→ナチュラルな音
2、ノイズキャンセルのツイストペア、ペアケーブル
●2020年12月 ヤフオク販売開始
☆電源分離型USBケーブルPc-Triple 1.0m、14,000円<対策1><対策2>
●2020年12月以降
☆その他の試作リストのラインケーブル及びデジタルケーブルを順次発売<対策1><対策2>
●2021年11月、2020年12月 電源分離USBケーブルのシールドを強化
☆US-STM/gc 59,000円<対策1><対策2><対策3>
※ボーカル等の抑揚が感じ取れるようになる。→ハイエンドユーザーから絶賛される。
●2022年3月 新規同軸デジタルケーブルを開発、75 Ωのインピーダンスに合わせるように細かく調整
※師匠である音楽プロデューサーの関井久雄さんからスタジオマスター(STM)の称号をいただく。
☆DG-STM 32,000円
●2022年5月 新規同軸デジタルケーブルをシールド強化
☆DG-STM/gc 52,000円<対策3>
※ボーカル等の抑揚が感じ取れるようになる。→ハイエンドユーザーから絶賛される。
●2022年8月、2021年11日 電源分離USBケーブルのシールド強化のため、送り出し側にコモンモードフィルターを使用して、Yタイプからストレートへ。更に音質向上
☆US-STSTM/gc 64,000円<対策1><対策2><対策3><対策4>
●2022年9月 ヤフオク発売当初からの電源分離型USBケーブルをYタイプからストレートへ、音質向上
☆US-STST035 19,000円
●2022年11月 銅パイプのRC-SML3には届きませんが、曲がりやすいタイプ
一般のケーブルとは比較にならないほど高音質。EMC処理ノイズ遮蔽
☆ RC-SML3FL 73,000円<対策3>
※流石にセミリジットケーブの特徴の静かなケーブルに出来上がり、超ハイエンドのユーザーから満足の感想を得る
●2022年11月 75Ωの同軸デジタルケーブル
史上初の高音質。同軸デジタルケーブル
<●2022年5月 新規同軸デジタルケーブルDG-STM/gc>より高音質。EMC処理ノイズ遮蔽
☆ DG-7SML3 65,000円<対策3>
※音質は、開発システムでの私の感想です。
※流石にセミリジットケーブの特徴の静かなケーブルに出来上がり、超ハイエンドのユーザーから満足の感想を得る
●2022年12月 セミリジットケーブルを使ったXLRケーブル
☆ XL-SML3FL 120,000円<対策3>
※流石にセミリジットケーブルの特徴の静かなケーブルに出来上がり、超ハイエンドのユーザーから満足の感想を得る 。
※音楽プロデューサーで師匠の関井久夫さんから注文をいただく。納品大変喜んでいただきました。
●2023年2月 モガミ2534の4芯の配線を変えるだけでノイマンのマイクケーブルを凌ぐ性能に
@ノーマル
☆1、RCAケーブル 価格 12,000円
☆2、XLRケーブル 価格 12,000円
@ノイズキャンセルのツイストペア、ペアケーブル(高音質タイプ)
☆1、RCAケーブル 価格 24,000円
☆2、XLRケーブル 価格 24,000円
<対策2><対策3>
最後に開発されていたセミリジッドケーブルに関して
質問したところ、こちらで紹介したセミリジッドケーブルは、「RG-402」とのことでした。
試聴いただいたメーカー様からの評価について
その後、植木氏が生前交流のあった、有名オーディオケーブルメーカーのアコースティックリバイブ社が、同社代表の石黒さんにより同社試聴室にて試聴・評価していただけることになりました。植木さんがお亡くなりになった約2か月後の2023年8月にサンプルを持参して、同社にお伺いしました。
何分、このページに記載したような内容をまとめるだけで精いっぱいだったため、試聴時にいろいろ質問頂きましたが、技術的な面はほとんどお答えする事ができませんでした。
にもかかわらず、熱心に評価いただきました。
具体的評価内容
同社のケーブルと比較して、奥行き方向の位相差表現がやや劣るものの、全体的にはとても高品質。国内の有名メーカー数社の性能は上回っているのではないか。
個人で、この価格でネット販売していたという方法としては、驚くほど高・好クオリティではないだろうか。
というご評価でした。
手作りで一組に2日位かかるケーブルの価格について、生前、植木氏ともお話ししましたが、「この価格でこの性能は驚くべき高コスパ」というのは、私も同意見です。
植木さんのお人柄についてのエピソード
一周忌を迎え、改めて本ブログ執筆のために石黒氏に連絡を取ったところ、植木氏の誠実な人柄に関するエピソードを寄せていただきました。
「改めて思い起こしたのですが、例えば電源信号分離型USBケーブルの弊社の実用新案に対して承諾を申し出られた個人事業主は植木さんだけでしたね。
結果、その後も交流をさせて頂いた訳ですが、電源信号分離型USBケーブルに関しては植木さん以外の個人事業主の全てが無断販売を行いましたし、OM社やJP社などの企業においても無断使用をしていましたので、植木さんの誠実さが偲ばれます。」
そもそも、植木ラボの中心的な線材である「PC-Triple C」についても、アコースティックリバイブ社がその開発に深く関わり、その使用についても植木氏と石黒氏で話し合ったということなども昨年の時点で聞いておりました。
関連記事、動画のご紹介
※以下、サムネール画像をクリックするとYouTube動画が試聴できます
一周忌を迎えるにあたり
余命1か月で、面会謝絶のベッド上というショッキングな電話(本人の出だしは「面白い話」でした)から端を欲した今回の実話ストーリーが私の中で終盤を迎えています。
本ブログのレシピなどが、生煮えの部分があるのを読んでいただいた方はお分かりだと思います。また、生前に継続に繋がる具体策を提示できないタイミングもあり、最後はご本人にチャットで厳しいご指摘をした直後に他界されたという、後味の悪い展開もありました。
6月1日に他界された後、8月にようやくアコースティックリバイブ・石黒様にご評価をいただく場を作る事ができました。しかし、その後は、本件関連については全くやる気が起きませんでした。私自身の精神的ダメージもあり「一周忌のタイミングでブログを作成しよう」と間を置くことにしました。
動画も今後作成していこうと思いますが、なんだかんだあったのですが、何よりも植木守様のご冥福を心よりお祈りする次第です。
形見分けにいただいてシステムに植木ケーブルを入れたらやはり凄かった
一周忌も過ぎたので、サンプルとしてお預かりしていたケーブルをどうするか、親しくされていたオーディオ仲間の方とご相談させていただきました。
同様に親しかったオーディオ仲間は、在庫品などを形見分けで貰い受けることにしたそうです。私がお預かりしたサンプルは、私が形見分けで貰い受けるのが妥当とのお話となりました。
段階的にシステムに入れてみました
最初は、生前のお元気な頃にサンプル試聴として一度貸していただいたことのあるS/PDIF同軸デジタルケーブル(PC-Triple C導体)です。あの時の感動が蘇ってきました。
こちらは、改めて空気録音して交換前のサエクのケーブルと比較を動画版の植木ケーブルレシピ公開編に加えて公開しました。
XLRケーブルをオーディオ仲間のシステムに入れて評価してもらいました
XLRのアナログラインケーブルについては、我が家のシステムではRCA変換など余分な経路が加わります。つまり、機器をバランス接続している部分がないわけです。
ちょうど、近所のオーディオ仲間で以前から交流のあるKさんから「DTM用のパワードスピーカー(フォーカル)を導入したよ」という連絡をいただいたので、新システムを聴かせていただくついでに植木ケーブルも入れて試してもらいました。
札幌の関井スタジオで聴いたのと同様のわかりやすい変化が感じられました。モニター系のシステムにこのバランス接続ケーブルを入れると、緻密だけれど優しい音になり、スタジオ作業と趣味のオーディオ・リスニングが両立します。
後日改めてKさんから植木ケーブルの評価をいただきました
以下、Kさんからの報告です
「ボーカルは、歌いはじめの仕草が伝わってきたり。
ライブ会場、ホールの空気感が伝わってきたり。
シンフォニーですと楽器一つ一つプレイが伝わってきたり。
モノラル版で楽器やポーカルの位置が分かれて伝わってくるこの特徴、すべて当てはまることが実感できます。
四番目は、ステレオでは「奥行き感」と解釈しています。
要は、ひとつひとつの音にまつわりついていた高周波ノイズ(?)がとれて、本来の音になったためだと思われます。
私は今のスピーカーに95%満足していますが、あとの5%は①曲によってはきつく聞こえること②「し」の音が突き刺さることでした。
植木ケーブルだと、この欠点がなくなります。すごいですね。欲しい。販売していたら即、購入です。」
それまでのスタジオモニターの定番、プロケーブルのベルデンの僅かな不満が解消したとのことでした。さらに後日、追加してお褒めの評価が加わりました。
「スピーカーを購入した澁谷のロックオンのお兄さんは、『モニタースピーカーは良くも悪くも原音再生に忠実なので、きつい音が出て、聴き疲れすることもある』と言っていました。
それを承知の上で、定位の良さに惚れ込んで購入したわけですから、ある程度の「音のきつさ」はあきらめていました。(ちなみに比較的やわらかい音として「amphion」のOne18もすすめられて聴きましたが、低音がお話しになりません。それにこれはめずらしくpassive speakerで、amphion専用のアンプとケーブルが必要)
ですが、この植木ケーブルはこの「音がきつく出る」というあきらめていた悩みを解決してくれます。
植木氏もあと10年長生きしていたら、きっと30代〜40代のモニタースピーカー使用者達にきっと浸透して行ったことでしょう。」
Kさん、私よりも植木ケーブルの神髄を理解されたようです。
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