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追悼、植木ラボ代表 植木守さま

本ブログやYouTubeで度々ご紹介させていただいた、札幌の超高性能オーディオケーブル製作者の植木守氏が、2023年6月1日に心臓の病により急逝されました。
実は、入院されて約一か月間、ネットと電話で何度かご連絡をいただきました。
その時に教えて頂いた内容や、Facebookや関連サイトに公開されている内容などから、追悼記事を公開させていただきます。

追悼動画も制作・公開しました

以下の画像をクリックしていただければ、Youtube動画に遷移します。

直近の2年半だけで、約300組のオーディオケーブル製作販売

以前、YouTubeでご紹介させていただいた内容はこちらです。

主にFacebookのオーディオ系グループで、試作されたケーブルの情報発信を熱心に続けておられ、少なからず常連、ファンとの質疑応答を興味深く拝読させていただいておりました。

個人の趣味の延長で、オーディオケーブルを自作されたり、あるいはヤフオクなどで販売される方は珍しくありません。過去に、ネット上で知って注文し、個性的なオーディオケーブルを入手したことは幾度となくあります。

しかし、植木氏の場合は、趣味の延長線というレベルは超えており、発信される内容も高度ですし、よくあるアマチュアの自作ケーブルの価格帯(特別高価な材料でなければ数千円台が多い印象です)を超えて、数万円台で中には10万円近い価格のものもあります。
※病床から教えて頂いた未発売のもの含めたラインナップは、12,000円から120,000円。

公式サイトも「植木ラボ(植木研究所)」と、立派なもので、あと数年ご存命であれば、それなりのオーディオケーブルメーカーに発展されたのではないか?と思える規模です。

植木ラボの方針について、公式サイトより全文引用させていただきます。


私の製作する作品は、同じ趣味を共有する方々に多くの支持を受けています。その音楽を作り出す考え方についてお話を致します。

音楽を奏でる楽器であるオーディオシステムは原音に近く、自然に聞こえる事を目指しています。その為には、今までのオーディオシステムでは、気にされていなかった空気中の磁界や電界の中のオーディオシステムに与える音の振動から発生するノイズを徹底的に研究してきました。

これにより、この考え方で皆様に発表できる製品が完成いたしました。どれをとっても満足を頂いています。先ずは、ご覧ください。

https://ueki-lab.net/

素線から組み上げて、1組約8時間(丸一日ですね)の製作時間をかけて、2年半で300組というのは、ほぼすべての時間を製作と研究に費やしていたものと思われます。

ケーブルの本格的な研究に、約5年間を費やし、ご自分でも「心血を注いだ」と表現されておられました。

植木ケーブル開発のきっかけとは

以下は、病床より送っていただいた文章を元にしています。

そもそも私はアンプ作りが趣味でDACやプリアンプやパワーアンプを作っていました。この時の課題は「どうやったらノイズを小さくできるか」で、徹底的にこれに取り組んでいました。
おかげさまでノイズに強く静かでハイクオリティーなDACやプリアンプやパワーアンプができていました。スピーカーからの振動を徹底的に落としました。

この時のノウハウがケーブル作りに生きている事は間違いのないことです。2018年秋口からPC-Triple Cに興味を持ち、ケーブル作りの真似事をし始めました。
これはその時に作っていた、DACやプリアンプの内部配線に高音質のケーブルを探していたことからのスタートでした。「札幌オーディオ同好会のサイトでの電線評価。2019年4月」に掲載しました。ご覧ください。

※札幌オーディオ同好会のサイトは閉鎖されてしまったようですが、記録として以下は残しておきます(2023.12月追記)。

温泉旅行で体調悪化

ご家族で道内の温泉旅行に行かれ、旅先で体調の変化があったようです。何とか帰宅した後、さらに悪化し、2023年3月29日に救急車を呼ばれたとのことです。以下、病床からの本人からのメモをそのまま記載します

29日、救急車
札幌医大病院、心筋梗塞

2日後目覚める。3/31
個室に。ベッドの上だけ。

1か月後の4月30日に相談を受けました

YouTubeやブログでの紹介が一段落したところで、久しぶりに植木さんから電話をいただきました。これが4月30日です。

ケーブルの紹介は、費用をいただいて宣伝するようないわゆる案件ではなく、私が純粋に興味を抱き、自分自身で植木さんの発案した方式を実験して顕著な効果を感じたためです。
とはいえ、もともと私の興味・専門は「真空管アンプ」と「その派生でのオーディオ全般」ですので、オーディオケーブルに取り立てて関心が高いわけではありません。

むしろ、オーディオ趣味仲間には私よりよほど熱心な方が少なからずいらっしゃいます。

ケーブル販売の宣伝には、これ以上対応できないかな、と思いつつ電話を受けたのですが、ご本人から「余命3か月宣告を受けて入院中」とのショッキングな話を聞かされました。

相談の上、休業宣言を

上記のFacebookの埋め込みがいつまで有効かわからないので、以下に主要部分を転記します。

実は、持病が悪化して 、3月の終わりから札幌市内の大学病院に入院しているのです。

ケーブル製作の休止をせざるえない状況になってきました。

昨年は体力がだいぶ落ちてきて、夏過ぎには2日に2時間と言う程度の作業しかできなくなってきていました。

https://www.facebook.com/mamoru.ueki.7/posts/5887689541356677?ref=embed_post

病床から託されたこと

相談を受けたのは「植木ラボ」の行く末です。

数々の発見・ケーブルに関して5年以上心血を注いで得た知見。これらをどうするかという話でした。

正直、数回その製品をネット上で紹介しただけで、お会いしたことすらない(北海道旅行をして訪ねたいという計画はお話ししていました)半年程度のお付き合いなので、荷が重いです。

再三、「もっと身近のオーディオ仲間にたのめないのですか」という婉曲なお断りをしたのですが、それでも、という話になりました。

私ができる範囲の提案をしました

3年前まで、現役の会社員としてビジネス(新規ビジネスなども)をしておりましたし、定年退職後は「Webマーケティングコンサルタント」として一時活動はしておりました。

そのため、コンサルティング的な範囲であれば対応できます、とご提案せざるを得なくなった次第です(諸事情からコンサルティング業務は休止しています)。

提案した内容は

1)ケーブルメーカーに相談し、研究成果を活かせないか持ちかける

2)それにより具体的な成果が出なければ、電子書籍かブログで、研究成果を一般公開する

という内容の物でした。

その後の進展について

とにかく、羽田-札幌の往復チケットを手配し、宿も押さえました。

ご本人は面会謝絶とのことで、結局会えませんでしたが、「オーディオのご師匠」とされる関井スタジオの関井久夫さんをお尋ねして、スタジオ見学と同時に今後のことを荘さんさせていただき、製品サンプルもお預かりしました。

その時点での、関井スタジオ訪問記は別記事にしています。

まだまだ書き足りないので、後日続きを公開していきます。

また、皮肉なことに、ご存命中に撮影したものの公開が他界された後になった、YouTube動画があり、以下のようなものです。

※画像クリックで動画再生



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