当ブログで再三ご紹介させていただいている、真空管アンプ製作の巨匠、町田和明さんのご紹介で、町田さんと長年の交流があるStudio Prestige(以下、スタジオプレステージさんと表記)さんと交流することができました。
↓↓町田さん紹介記事
スタジオプレステージさんは、YouTubeでも精力的に、九州を拠点とするプロミュージシャンなどの演奏動画や、オーディオ機器の空気録音を公開されています。
主宰者の井崎さんによると、演奏の温度感を重視した「一発録り(live recording / live tracking)」にこだわったスタジオだそうです。
スタジオプレステージ(Studio Prestige)さんのご紹介
近年のデジタルレコーディング技術は目覚ましい進化を遂げ、極めてクリアで高解像度な録音環境が手軽に手に入る時代となりました。しかしその一方で、「生演奏特有の空気感や太さ、熱量がどこか整いすぎて希薄になってしまう」と感じているオーディオファンやミュージシャンも少なくありません。
今回は、九州・佐賀県を拠点に、1950〜60年代のアメリカン・ヴィンテージ機材や真空管回路を駆使し、圧倒的な「生の厚みと気配」を再現するプロフェッショナルスタジオ「スタジオプレステージ(Studio Prestige)」を徹底調査・解説します。
スタジオプレステージ(Studio Prestige)さんの概要
| スタジオ名 | スタジオプレステージ(Studio Prestige) |
|---|---|
| 所在地 | 佐賀県佐賀市東与賀町大字飯盛178 |
| チーフエンジニア | izaki 氏 |
| 専門分野 | ヴィンテージ機材/真空管ハイブリッド録音、ミキシング、マスタリング、アコースティック&ジャズREC |
| 公式リンク | Studio Prestige lit.link(各種リンク集) Studio Prestige Recording TV(公式YouTube) 公式X(@studioprestige) |
音響思想:失われた「空気感と熱量」を取り戻すハイブリッド設計
スタジオプレステージを主宰するエンジニアの izaki 氏 が掲げる基本理念は、「マイクの前に立つ演奏者の息づかいやパッション、その場の空間そのものをリアルに捉え切ること」です。
現代のプラグインによるエミュレーション技術も進化していますが、トランスや真空管を通過する際に生まれる「実機特有の偶数次高調波歪み」「過渡応答の粘り」「位相の自然さ」は、やはりオリジナルハードウェアでしか得られない領域が存在します。
同スタジオでは、最新の極めてジッターの少ない高精度デジタルAD/DA環境でダイナミックレンジを担保しつつ、入力段〜マスター段に伝説的なヴィンテージハードウェアを惜しみなく介在させる「デジタル×ヴィンテージ・アナログのハイブリッド設計」を確立しています。
深層解析:スタジオプレステージを支える珠玉のハードウェア群
オーディオ評論・エンジニアリングの視点から見ても、導入されている機材群とカスタマイズの深さは国内屈指のレベルを誇ります。
1. Western Electric(WE)の遺産とカスタムトランス
オーディオ史における最高峰、Western Electricの黄金期パーツが各系統に組み込まれています。
- WE 618B 入力昇圧トランス:入力段で圧倒的な情報量と太さを生み出す銘機。
- WE 111C / 264A リピィーティングコイル(600Ω:600Ω):ライン伝送における音の引き締まりと奥行きを付加。
- カンノ製作所(菅野)パーマロイトランス:緻密な中高域と力強い押し出しを両立。
- 線材・素子へのこだわり:WE製ブラックエナメル単線やAllen-Bradley(A&B)製カーボンコンポジション抵抗、WE板抵抗等を用い、インピーダンスマッチングを計算し尽くした自作ラインアンプ・ブースト回路を構築。
2. 定番ヴィンテージ・マイクロフォン&アウトボード実機
生楽器の倍音とダイナミクスを余すところなく捉えるため、歴史的名機が実稼働しています。
- マイク群:Neumann U47(真空管)、U87、Telefunken チューブマイク、Electro-Voice RE20 など。
- アウトボード:Teletronix LA-2A(オプチカル・チューブコンプレッサー実機)、TUBE-TECH PE 1C(Pultec型チューブEQ実機)、自作WE141系+WE618Bマイクプリアンプなど。
3. モニター環境:JBL ハーツフィールド(Hartsfield)カスタム
モニタースピーカーは、JBL ハーツフィールドのスピーカーユニットを使用し、スタジオプレステージで専用BOXを製作したものを使用しています。
4. 高精度AD/DAコンバーター
高精度AD/DAコンバーターのUniversal Audio 219については、標準のスイッチング電源から、自作のアナログ電源に変更しています。 電源部分にも手を加えることで、音質面を追求しています。
5.ミックスダウン用ミキサーについて
ミックスダウン時に使用しているミキサーは、オリジナル設計のA級動作・フルディスクリート回路です。回路設計から基板設計まで、すべてスタジオプレステージで行っています。
代表的なリリース作品(高音質CDアルバム)
同スタジオで録音・マスタリングされた音源は、ジャズ・アコースティック系の音楽ファンやオーディオマニアから高い支持を集めています。
ジャズ系作品
- 『Blue Landscape』/ THE QUARTET OF ESCAPADES(エスカペイズ)
トランペット奏者・山本ヤマ氏率いる本格派カルテット。1960年代ブルーノートのジャズ黄金期を思わせる、太く密度のあるアメリカンサウンドが凝縮されたリーダー作。 - 『ミドリイロ』/ ミドリイロ
ヴォーカル・ミドリ氏と山本ヤマ氏らによるユニット。過度なデジタルリバーブを排し、オールドファッションなヴォーカルの肉声感と楽器の質感をダイレクトに引き出した名盤。
アコースティック・その他
- 『The Calling』/ 佐久間景子(Keiko Sakuma)
アイリッシュハープ&ヴォーカル作品。真空管ラインアンプを通すことで、繊細な弦の撥弦音と空間の広がりが温かみ豊かに描かれています。 - 『Amuleto』(アムレト)
赤い窯のピザ屋さんの2人と吉岡美湖による音楽ユニットの1stフルアルバム。
幻想的なアコースティックサウンドと、テクニカルロックベースを融合させる3人組。
ヴォーカル・三栗野和、ベース・嘉村圭一、アコーディオン他・吉岡美湖から成る。
ケルト、和、メタル、プログレなどの要素を、オリジナル音楽に昇華させた作風・編曲が特徴。
YouTubeチャンネル「Studio Prestige Recording TV」での発信
公式YouTubeチャンネルでは、実際のスタジオでのセッション風景や、ヴィンテージ機材の比較試聴、JAZZ喫茶の名盤の空気感を再現した音源などが多数配信されています。
高域の減衰や位相の崩れを最小限に抑える配慮がなされた丁寧な動画制作が行われており、Web試聴の段階でもスタジオプレステージが目指す「アナログの厚みと立体感」をはっきりと体感することができます。
まとめ:今後のコラボレーションに向けて
真空管回路やトランスの自作設計まで踏み込んだ技術的バックボーンを持ち、単なるノスタルジーにとどまらない「現代に通用する極上のヴィンテージサウンド」を創出するスタジオプレステージ。
当メディア(YouTubeチャンネル・ブログ)においても、今後スタジオプレステージとの各種協力や、試聴音源のご提供、コラボレーション企画を通じて、より高レベルなコンテンツをお届けしていく予定です。オーディオファンおよび高音質録音にこだわるミュージシャンの皆様は、ぜひ今後の発信にご注目ください。
参考:九州は「音楽の街」「日本のリバプール」と呼ばれる音楽が盛んな地
スタジオプレステージさんのような、プロミュージシャン御用達のスタジオがあるという背景には、福岡市を中心に、九州を拠点とするミュージシャンが数多く活動しているという背景もあるようです。
九州を拠点に全国や世界で活躍するプロミュージシャンは、ジャンルを問わず多い
九州(特に福岡市)は昔から「音楽の街」「日本のリバプール」と呼ばれ、日本の音楽シーンを支える多くのスターを輩出してきました。現在でも、あえて東京に移住せず、九州に自宅やプライベートスタジオを構えながら全国区の活動を行うプロが非常に多いのが特徴です。
スタジオプレステージのある佐賀市は、福岡市と目と鼻の先ですので、周辺に、地域に根づいた高水準な生演奏を届けるプロたちが多数活動しているようです。
また、専門レーベルの存在として、福岡の「キャットフィッシュレコード」のように、九州の実力派ジャズミュージシャンの高音質CDを全国へ発信するインディーズレーベルやレコード店が音楽シーンを支えています。
おまけ:併設のハンバーグレストラン「ジャンボ」
スタジオの敷地の隣に、主宰者の井崎氏が経営するハンバーグレストランがあります。
こちらのオーディオ機器で空気録音されたYoutube動画は、筆者のとてもお気に入り空気録音で、時々拝見させていただいています。





コメント 他者への誹謗中傷はお控え下さい