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いよいよ開催が迫ってきました(於:YOSHUホール、大阪メトロ・松屋町、長堀橋、心斎橋)
昨年より、オーディオ技術誌「MJ無線と実験(誠文堂新光社)」に連載する鈴木康平氏とその賛同者によって新しいコンセプトの自作スピーカー発表会が開催されるようになりました。
2025年の今年は、大盛況だった昨年の第一回に続く第2回目です。
改めて、このイベントのポリシーは
・マルチウェイ限定(日本で唯一?)
・音の良いホールで開催
・コンテストではないので順位付けはしない
・大阪開催(でも参加者は全国規模)
というものです。
すでにエントリーは締め切られ、全国より8点の出品が予定されているとのことです。
このスピーカー発表会の詳細をおさらいすると
こちらの過去記事をご参照ください。
会場である大阪・YOSHUホールのアクセスは
なぜフルレンジではなくマルチウェイスピーカーなのか?
あくまでも筆者の理解となりますが、鈴木康平氏の技術誌連載や著書を拝読すると、その意図が見えてきます。
海外ではすでに自作スピーカーの世界もPCシミュレーションや新しい計測技術を駆使したマルチウェイに移行し、日本は時代に取り残されていると理解できるからです。
この辺りも、詳しくは以前筆者により公開したYoutube動画を参照してほしいと思います。
とはいえ、日本ではフルレンジ礼賛者が少なくないようです
先日、本件とは別件のスピーカーを扱ったYoutube動画にとても無礼なコメントをいただきました。
Youtube動画を投稿していると、非常識やアンチなコメントは珍しくありません。ですが、他の大半のオーディオマニアやオーディオメーカーにも無礼と思い、備忘録としてこちらにも掲載しておきます。(すでにミュートしたので、コメント自体は見られません)
内容は百歩譲って、思想の自由としても、書き方も非常識に無礼です。
「音響理論がまだまだ初級程度です。そもそもマルチウェイスピーカーを使っている段階でダメです。スピーカーを複数使うと(中略)私が自作した(後略)」
自分が自作したフルレンジスピーカー以外は全否定。
※これ以上引用したり、投稿主へのリンクを入れたりするのは読んでいる方の精神衛生上よくないのでこれくらいにしておきます。
世のハイエンドスピーカー含む、多くの皆様のスピーカーはダメだそうです。
ちなみに、この方のチャンネルでそのスピーカーを拝見しましたが、秋月の8cmのバックロードホーンで、特段の工夫も感じられませんでした。
ここまで言うなら、どんな高度な音響理論の持ち主かと期待したら、内心、結構呆れました。
すでに閉鎖されていますが、キットを作って(さすがに秋月のスピーカーよりは高級そうな)販売もしていたようです。
蛇足でしたが、本イベントは質疑応答のレベルも高く
という具合に、時代遅れの老害もいたりしますが、このイベントに関しては、そのような低次元の雰囲気は全くなく、ちゃんとした人が集まるのも特徴のようです。
主催者の話によると、昨年も最後の質疑応答コーナーが最も見どころだったかもと思えるほど、高レベルだったようです。
YouTubeでイベントアーカイブ映像を公開します
固定カメラと固定マイク(運営チャンネルで普段空気録音に使用している機材)で収録したものをノーカットでUPしました。なお、休憩時間だけカットしました。

※ヘッドフォンで聴くと、僅かに何かの可聴ノイズを拾ってしまって(原因は目下不明)いました。曲になると気にならない程度で、雰囲気は充分わかると思いますが、反省点です。
動画では、各作品の紹介紙資料が入っていませんので、動画視聴と併せて以下の資料(PDF)をご参照ください。当日会場で配布した資料の元原稿です。
※資料の「あつ」さんは、残念ながら諸般の事情で欠席されました。
現地で聴いた筆者の感想
主催者(発起人)の鈴木康平さんから、昨年の様子などは聴いていて、中身の濃いイベントだとは承知していました。
おまけ、発表者のなないちさんの作品と自宅システムで空気録音対決
なないちさんの作品が、アニソンを気持ちよく鳴らしていたので、自宅システムで同じ曲を再生してみました。
空気録音のシステムは同じですが、それ以外はスピーカー以外にもDACやアンプ類そして、部屋の響き(ルームアコースティック)が違うので、まるで違って聴こえます。
単なる実験でしたが、折角なのでYouTubeで公開しました。オーディオ的に意味があるかどうかはともかく。。

自作スピーカーの音質面について
最初の栗田さんの作品から、音質的なレベルの高さに凄く感心しました。もちろんスピーカーだけでなく、音が良いという要素でホール選定したことや、DACやアンプなどの全てにおいて高レベルであることが現実に体験できました。
発表会自体が、発起人の鈴木康平氏の「MJ無線と実験(誠文堂新光社)」連載や単行本を参考にされた方が集まっている訳なので、一昔前の自作スピーカーとは一線を画す印象を強くした次第です。
音質面やデザイン面で「これ欲しい!」と思ってしまう作品も複数ありました。
特に終盤の、大型スピーカー2作品は、自分の部屋には無理だけれど、大きなリスニングルームがあれば良いだろうなと妄想してしまいました。
技術面など音質要素以外の感想
これも前年の話で聞いていましたが、質疑応答のレベルの高さは物凄いです!
正直言って、鈴木康平さんの著書を読んでいないと半分くらいしか理解できない(それでも聞いていて参考になり楽しい)と思います。つまり、出品者側のみならず参加者もレベルが異様に高い(ミニオフ会や研究会ならまだしも)ということです。
さらに、誘導もないのに席が前から埋まってくるというのは、この手のイベントでは新鮮でした。関西人の特性なのでしょうか?
オーディオ試聴イベントでは、音のスイートスポットと思われる真ん中あたりから席が埋まってくるのが自然という過去の体験イメージと違ったものを感じました。
おそらく、速めに来る参加者(北海道含め遠方からの方も少なくないようでした)は、自分でも自作されるため、作品や資料の近くで見たいということだったかなと思っています。
会場の様子(写真)

カノン5Dさんの個別詳細レポートも大変参考になります!
来年度(2026年11月頃)も開催予定だそうです
東京含め国内の自作スピーカー発表イベントは、このイベントに比べて「単に鑑賞する」「順位など優劣付けに終始する」という技術的には歯応えのないものがほとんどだと思います。
それもあって、関西開催なのに出品者(今回7人中関西は2人のみ)も来場者も全国から集まって、さらに活発な質疑応答となるのでしょう。
1回目2回目とも、台風の影響を心配されたので、来年は11月にしようか?という話を、主催者のエンディングの挨拶でされていました。
初心者や休止中の方も来年に向けて、是非自作スピーカーにチャレンジを!
最後の発表者の荒井さん(埼玉県久喜市)は、自称初心者と話をされていました。
とはいえ、オーディオ歴はかなりなようで、今回のとても大きなスピーカーも、随分以前に挫折して放置・粗大ゴミ化していたそうです。
それが、鈴木康平氏の著作を読んで、3WAYのシミュレーターによるネットワーク作成にチャレンジしたら、いとも簡単に(本人にとっての話で普通の人だとそれなりに大変と思います)作れたと話されていました。
それにしては、とても良い音(欲しいと感じた内の一つ)で、鈴木康平氏も3WAYは2WAYよりもはるかに難しいのに成功されていると評価しておられました。
つまり、これからのチャレンジも期待大という事だと思います。
ちなみに、特大スピーカーは佐川急便で運送(引き取りも)してもらったそうです。
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![シミュレーションと測定による自作スピーカーのクロスオーバーネットワーク設計 フルレンジからステップアップし,ハイエンドの音作りを目指す [ 鈴木 康平 ]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/3544/9784416523544_1_2.jpg?_ex=128x128)

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