金田アンプは何度か聴いたが
各地のイベントで金田アンプは何度か聴いています。
DCアンプという独自の回路というか、普通のアンプは交流でスピーカーを駆動するのでACアンプというのに対して、DCですから直流というかなり次元の違うアンプです。
今回は金田式DAC
今回は、事前に月刊「無線と実験」にてDCアンプを使用した(DAコンバーター)を発表されました。DACに興味のある百十番は、気合を入れて聴きに行きました。
金田氏(金田明彦氏)は、無線と実験にて、石のACアンプ(つまり我々が普段音を聞く装置のほとんど)を聴覚破壊機と表現されました。NET上では批判の声も上がりましたが、自作派の意気込みとしてはこのくらいのことを言って欲しいものです。
今回のDACは「今まではアナログ盤でないとCDでは音を楽しめなかった」とか、以前の作のDCマイク(マイク直後にDCアンプを入れたものらしい)は録音のプロからも絶賛されたとか、とにかくべた褒めです。
大いに期待が持て、興味が募ります。
ビッグバンドのCDからスタート
CDによるビッグバンドからスタートしました。今までの金田アンプのイメージは、ややハイ上がりの写実系の音でした。OTLや無帰還、長岡スピーカーが同じ系統だと感じています。
しかし、今回の音はオーソドックスです。スピーカーがいつもの試聴会と違って、JBLのためだと思われます。おそらく無線と実験誌のリファレンススピーカーなのでしょう。何となくJBLの試聴会と錯覚しそうです。
以前聴いたソニーピクチャーだったか社内試写室のJBLシアターシステムを思い出します。低音がJBL独特の音です。以前の金田アンプの印象は試聴会で使用していたスピーカーのキャラクターだったようです。
こうしたことを考えると、オーディオ機器の試聴会では複数のスピーカー(厳密に言えば機材全て)で聴かせないと何を聴かせているのか訳が分からなくなります。
アナログ盤との比較
会では続いて、同一ソースのCDとアナログ盤の比較実験です。リンダロンシュタットのポップス(JAZZ系)女性ボーカル。CDでは新作DACの持ち味か、広がりがあって真空管アンプやデジタルアンプに近い心地よい音。アナログ盤は音が厚くなりましたが音の広がりは普通です。
音場が少し狭くなった感じですが、デジタルのザラザラ感はなくなります。他の試聴会でもこのアナログ盤の印象は似ています。マニアは倍音も乗って好きだといいますが、百十番は十代の頃散々聴いた音であまり感動はありません。
ジャズは確かにこちらの方がスイングできますが。。
最近感じるのは、デジタルだアナログだとかハイサンプリングだという音の印象は、映像と相似形で、映像に例えると解りやすいという事です。アナログ盤は光学式で撮影されたフィルムの映画や写真。しっとりして高密度です。デジタルはビデオやデジカメの映像。粒子がギザギザしていますが、臨場感は高いです。
ハイビジョンをブラウン管で見ると質の高い番組(アップコンバージョンではなく撮影から全てハイビジョン機材)では、そこにいるかのような錯覚が生まれます。
それぞれの良さや利点もあります。
ここまではいつもの展開
と、ここまではDCアンプでなくても同じ話になる展開です。つまり、今回のDCアンプは何とか臭さが無い普通のオーディオの音に聴こえました。
CDの音が広がって感じるのはジッターかノイズのためかもしれません。心地は良いのですが、好き好きでしょう。
バルトークの「火の鳥」でオケを聴きましたが、こちらはアナログ盤の方が倍音が乗っています。しかし、クラシック系も音の品位は高く悪くは有りません。
NタイプからPタイプへ
概ね普通の音(良い音)だなと、印象が固まっていた頃「DACをNタイプからPタイプに変更してみましょう」との事。タイプが2つあるなんて聞いてないぞ。と思いつつ、あれっ?曲はクラシックのオケですが、これは良いです。立体感がグンと増して、バランスも良くとにかく欠点の見当たらないハイエンドの音です。プラスの形が見えるようです。
続いてアナログ盤でJAZZの女性ボーカルをかけましたが、あまり録音よくない感じで他の客もそわそわしたり。Pタイプが良すぎたのかなと思いましたが、その後のJazzトリオではまともでした。
今後は
SACDやハイレゾの時代に、今更「CD+DAC」というのもという意見も出そうですが、今までのCDを聴くためとか、デジタル放送や音楽配信などの圧縮音源など、DACの必要性はまだまだ高いと思います。
むしろ新しい企画もコピープロテクトを煩くしないで、ダウンサンプリングしてでもDACで聴けるようにして欲しいと考えています。金田氏は、今後も自作DACの研究を進めて真空管DACにもチャレンジするそうです。
がんばれ、金田さん。
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