Nobsoundの真空管アンプMS-10D MKIIが詐欺商品だった件に思う事

ガジェット情報のネットメディアとして歴史もあるGigazineが「中国メーカーNobsoundの真空管アンプが完全な詐欺商品だったという報告」(2022.6.5)という独自記事を掲載しました。

中国メーカーNobsoundの真空管アンプが完全な詐欺商品だったという報告
中国に拠点を置くオーディオメーカー「Nobsound」が販売する真空管アンプ「MS-10D MKII」を購入したユーザーが、中身の伴わない粗悪品だったと報告しています。

執筆時現在、同製品または後継機と疑われる商品がアマゾンで販売されているので、騙されないように気を付けて下さい(下の画像はリンクになっていますが、買うなら別の商品にしましょう)。

※リンク先以外にも複数の転売ヤーとおぼしき販売者を見受けます!

※買うなら例えばこちらとか

今回は、これをお伝えしたいということではなく、Gigazineと他に見つけた2つの他サイトでの関連記事について、言いたいことがあったので記事にしました。

Gigazineの主な内容と、その姿勢について

今回の記事は、私のようなオーディオマニアにはSNSを通じて伝わってきました。SNS上でもマニアの間で結構話題になり(私も被害防止のため拡散)ました。とはいえ、一部のマニアだけの騒ぎなので、世間全体が反応する「いわゆるバズり」ではありません。

情報源は、4年前の海外発のYouTube動画

Gigazineの記事の出だしは以下の通りです。

中国に拠点を置くオーディオメーカー「Nobsound」が販売する真空管アンプ「MS-10D MKII」を購入したユーザーが、中身の伴わない粗悪品だったと報告しています。

Gigazineのより引用
Gigazineの情報源となった海外発のYouTube動画(公開されたのは2018と約4年も前ですね)

この記事には次のような違和感を持ちました。

  • 4年前の動画を記事にする?
  • 肝心のトランスカバーを開けたところの映像がなく、YouTube動画自体の信憑性が?
  • それなりの歴史と評価を持つGigazineの「裏取り」が?
  • とはいえ、いまだに大手ECで販売されている詐欺の警鐘としては有益。

主な内容は

この記事は、YouTube動画の内容を紹介することに終始しています。動画を公開した方は、期待して購入したものの、トランスカバー(上部の奥側の黒いカバーで、通常真空管アンプ必須の出力トランスが収納されている)を開けたら出力トランスがなかったと訴えています。

この時点で詐欺確定ですが、動画の公開主は「オシロスコープで確認したが信号の流れが謎」「回路図が製品についているが判読できず」だったということをGigazineは報じています。

それ以前の問題

出力トランスがないとか、電源トランス最大センタータップ25V(合計50Vを整流しても真空管に届くのは60数Vで、出力管の電圧としても異常。販売スペックで25Wのアンプ出力があると記載されているが、この真空管だと出力は1ケタ台しか出ないはず。

真空管アンプを組んだ経験がある人なら、オシロなんか見なくても、常識的にそれ以前の問題だとピンと来るはずです。

肝心な内容に触れていない

オーディオにそれなりに知見のある人なら、「そこじゃないでしょ」と思うと思います。出力素子として真空管が使われていないなら、「何で増幅しているの?」と思うはずだと思います。デジタルアンプのチップとか、ICアンプのチップを見つけて「実際に増幅している素子」を割り出すという簡単な作業が先だと思います。

YouTube動画は、権威や知見がなくても誰でも発信できる個人メディアです。当然、フェイクな内容や悪気はなくても誤った情報は珍しくありません。この段階で、動画の信憑性に疑問を持たざるを得なくなります。

Gigazineの姿勢?

4年前の個人発信の情報を鵜呑みにした記事を今更発信する。とはいえ、詐欺が継続しているのだから取り上げること自体は有益で話題性もあるけれど、報じ方が「そうじゃないでしょ」と強く思うのです。

Gigazineは、報道機関ともジャーナリズムとも自称していませんので、マスコミ的なモラルを求めるのは酷だと思いますが、残念です。

アフィリエイターの更に無責任な記事に激怒

本来、リンクを貼るのも相手の思う壺なのではばかられるのですが、話が進まないので、ご紹介します。

nobsoundは大丈夫?真空管アンプの評判は?詐欺というのは本当なのか徹底調査|サウンドワン
Nobsoundは真空管アンプの中で1万円以下で購入できるという廃コストパフォーマンスの真空管アンプで、マニアの人が良く

こちらは、悪質(かなり悪質というわけではなく、良くあるレベルというのが悩ましい)です。

Nobsoundの真空管アンプに関する問題の内容

タイトルに「徹底調査」とありますが、私の感性(おそらく他の大部分の常識的感性でも)では大嘘です。

徹底調査のみじんも感じられない、表面的な記事です。紹介する程でもないです。

許せない(個人の感覚です)と思ったのは、以下の部分です。

nobsoundと検索すると詐欺と書かれているブロガーの方がいらっしゃいますよね。真空管がすべて嘘等記載がされていて。これは半導体アンプであり嘘の商品だ!といった内容を一つの商品に対してあげ足をとっている形となり
その他の商品は特段問題はないようなことを記載したものとなります。なのでそこまで気にしなくて問題ありません。

nobsoundは大丈夫?真空管アンプの評判は?詐欺というのは本当なのか徹底調査by SOUND1

呆れてモノが言えない「SOUNS1編集部」とやら

編集部というのさらに呆れます。どうみても個人アフィリエイター(個人の推測です)で、せいぜい外注を雇っているかもレベルで組織とは思えません。運営会社の記載もない。他にも怪しいツッコミどころはありましたが、根拠の乏しい誹謗中傷は罪になるのでこの位にしておきます。これは、正当な批判です!

サイトは相当充実していますので、これで生活しているのだろうとも思えます(SNSをたどると月に100万がどうのこうの)。

SNS上でマニアからは

Facebookでこのサイトを紹介したところ、マニアから「メーカーから広告費用を貰って火消し記事書いている感じですかね?」というコメントをいただきました。

有り得なくはないです(というか中国メーカーは普通に悪質ステマ・マーケティングやっています)が、「無責任なアフィリエイター、だと思います。以前、DNAが組織ぐるみで無責任な記事を量産した事件がありましたね。儲かれば良いという姿勢。」とお応えしました。

同じ印象はあったが記事に書くべきじゃないでしょ!

実はこちらを本題にすべきか悩んだのですが、中華人民共和国の事業者や国民性には「平気で人をだます」文化が以前から見え隠れしています。人口が多いため、信用を得て継続的に儲けるより、騙してでも一時的利益に走るという傾向を各分野で感じてきました。全部が全部じゃないですが。。

Nobsoundや他の類似メーカーでも、実はまともな(見方によると良心的とか魅力的な)製品も見受けられます。個人的に、郊外できない頭の中だけの思い出は、吟味して美味しいとこ取りすればよし、と内心思っていました。しかし、このように明記されると、「酷いなあ」と思ってしまいます。

まともなブログで少なくとも事実関係が判明

続いてこちらのブログ記事です。

yさんの好きなもの(ミニカー・オーディオ・バイクなど) 中国製真空管アンプの怪!!   NOBSOUND MS-10D

こちらは何と、2014年の本記事執筆時より8年前の記事で、製品の型番も「MKⅡ」とか「MKⅢ」ではなく初代製品に関する記事のようです。

こちらはちゃんと、トランスカバー(上部シャーシと一体になっているです)を開けた写真を掲載しています。これでようやく「出力トランスが付いていない」という裏が取れスッキリしました。

これまで紹介した2つの記事があまりに酷かったので、こちらが素晴らしく感じますが、考えて見るとこれが普通。

コメント欄の応酬では「真空管挿してなくても鳴る」と説明されています。こちらも、気持ち悪いとのことで、実際の増幅素子などを調べるような深入りがしなかったそうです。少し残念です。

個人のブログで8年前に訴えても、Amazonの販売は今でもされているという無力感

個人のブログという点では、当サイトも同じです。8年たっても「せいぜい都市伝説」的に一部のマニアにしか伝わっていませんでした。今回Gigazineも、国内のブログではなく4年前の海外の個人によるYouTube動画がネタ元だったというのも「何だかな」という無力感を感じたりします。

Nobsoundのメーカーとしての姿勢や信用はどうなの?

一般的なツッコミどころとしては、こちらが本題かもしれません。しかし、中華人民共和国の文化というか、その面では、今更であり、今も謎であります。

なぜ小さくないメーカー・ブランドが詐欺を続け、メーカー側も消費者もメディアも大きな反省も反応もないのか?疑問です。

SNSでは、「日本を代表する自動車メーカーでもリコール有るし」という発言も見受けましたが、確信犯で消費者に実害を意図している点で、本質が違うと思います。リコールに例えるなら、以前の三菱自動車の「リコール隠し」ですね。厳しくモラルが問われ、信用が失墜し、同業他社の助けでようやく生き残れた大スキャンダルでした。

つまり、日本はまだ健全、ということに他ならないと思います。

ちなみに、私はちゃんと足を使って中国のメーカーや販売店を視察して回ったことがあります(日付を見ると12年前ですが)。

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