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予算5万円で組む初めての真空管アンプキット

当サイト及び、当サイト運営のYouTubeチャンネルのユーザーの方からリクエストをいただきました。

過去にサイトやYoutube動画で、いろいろなキットや完成品を紹介してきたのですが、紹介したものの中にはすでに絶品になっているものもあり、改めてリクエストをいただいた「予算5万円」でキット製品をご紹介したいと思います。

ちなみに、ライン入力(RCAピンジャックなど)専用のプリアンプ、すなわちラインアンプや、ラインアンプ段にデジタルアンプやICアンプを加えたハイブリットアンプというのは、今回除外して、純粋にCDプレーヤーとスピーカーに繋げばオーディオが楽しめる製品に絞りました。

サンオーディオ真空管アンプキット製作、KT88シングル
筆者が初心者時代に制作したサンオーディオの入門キット、現在は入門用キットはラインナップされていませんでした

国産の信頼性の高い製品では

真空管アンプキットは、もちろんですが家庭用AC100V電源を使用するため、下手すると自己に繋がりかねません。

安全面では、国内で長期にわたりキット製品を手掛けているメーカーの製品は、厳しい国内法の中で継続して販売しているという事で、信頼性が高いと考えられます。

長期販売実績もあり入手性高く、組み立て難易度が低いエレキット

まずは、入門用の真空管アンプキットとして知名度が最も高く気軽に取り組めるキットとしても人気なエレキットから検討してみます。

実はリクエストいただいた方も、まずはエレキットを検討されたようです。

こちらが、真空管も付いて何と2万円台という最も取り組みやすい製品です。以前は6BM8というマニアにも定番の複合管(1本の小型のMT管の中に、初段の電圧増幅段と出力段のユニットが内蔵されていて、片チャンネル1本でオーディオアンプができるというような特性の違うユニット複数で構成されたもの)を使用していた製品を販売されていました。おそらく、真空管の価格が高騰したため、少しマイナーなものに仕様変更したのではないかと思います。

この製品の、全体のグレードを少し上げた製品があるようです。価格(税・送料込)は、こちらの実勢価格で38,000円となっています。

エレキットの懸念点

上記のシリーズは、元の6BM8仕様の頃より入門用として評判が良かった製品だと記憶しています。6BM8は、元々ブラウン管TV用に開発されたものですが、古くからオーディオ用としても評価が低くなかったようです。おろらく60年代のコンポとかセパレートとかの時代以前に、中型家具調HiFiステレオセットとして販売された人気の商品があったようです。

当サイトでも、この50V仕様である50BM8を片チャンネル2本使用したアンプを自作しており(回路はエレキットも参考にさせていただきました)とても良い感じです。

B電源回路がイレギュラー

発明なのかアイデアとしての処理なのか、B電源回路(最終的に出力に直結するいわば主電源)が一般的な真空管アンプとは異なっています。
おそらくコストダウンのためだと思いますが、ACアダプターを使用しています。それをDC-DCコンバーターという昇圧回路で、真空管増幅に必要な高電圧に変換する方式です。

実際に試したり使ったことはないのですが、なかなか他に例を見ないユニークな回路で、それをどう解釈するかという懸念点があります。良く言えば「良く練られた」でしょうし、悪く言えば「ちょっと異端」となるかと思います。

2W+2Wの小出力アンプである

真空管アンプは小出力でも、一説にはトランジスタアンプの3倍の駆動力という話があるくらいなのですが、さすがに片チャンネル2Wでは、スピーカーを選ぶと思います。

高能率スピーカーを接続するか、デスクトップオーディオでこじんまりやるかという制約が付きます。

あまり練習にならない

これは個人の経験談かもしれませんが、筆者もエレキットでキットデビューしました。しかし、その後の真空管アンプ製作に繋げる練習になったかというと(度胸付けにはなりましたが)、今一つでした。

それは、手配線(空中配線)が真空管アンプの主流で、他の電気回路のようにプリント基板よりも、ことアンプに関しては性能が良いといわれます。

しかし、エレキットはプリント基板でおまけに、丁寧な説明書があるため、配線ノウハウとしては少し分野が違うように感じました。

オーディオウインズの6V6シングルアンプ

実は、今回の記事執筆にあたり、心当たりの国内メーカーの製品を調べたところ、軒並み初心者向け製品は販売終了になっていました。

おそらく安価な中国製製品に駆逐されたり、経営者が高齢化したことが原因だと考えています。その中で、少し(見方によっては少しではなく)予算オーバーになりますが、入門用キットを紹介します。

真空管別売りで、48,800円(税込、送料別470円)となっています。使用真空管:6V6GT×2、12AU7×2とそう高価な真空管ではなく、すでに手持ちがあったり、安く入手することができれば、オーバー分はあまり大きくならないと思います。

6V6アンプの懸念点

出力は5W+5Wですので、低能率スピーカーと組み合わせるのでなければ、結構使えると思います。ただし、筆者も冒頭画像のサンオーディオの入門キットを2000年に組んだのですが、私に撮って6V6は何だか当たり前の音過ぎて物足りなく感じました。そこで、すぐに発売元のサンオーディオの指導の下、追加パーツと出力管を購入して、KT88シングルに改造しました。

この製品も、オーディオウインズさんは、パーツの販売も行っているので、同様の場合は相談してみるという手があるかもしれません。

中国製品に目を向けると

冒頭で、中国製は信頼性・安全性に不安ありと紹介しましたが、以下に挙げる点を考慮すれば、リスクは少し軽減できるのではないかと思います。とはいえ自己責任になりますので、電子部品を扱ったり触ったりした経験が薄い方はご注意ください。

筆者が考える選定ポイント

オーソドックスなシングルアンプで出力管はEL34

入門ということであれば、奇をてらった回路よりオーソドックスな回路が今後の発展性含めて良いと思います。また、プッシュプル回路やパラシングル(出力管を片チャンネル複数のもの)回路は、配線が複雑になるので、入門はシングルアンプ(ボリューム付きパワーアンプ)が良いと思います。

出力管は、コストや出力、その他のバランスからして6L6族かEL34(日本名6CA7)がおススメです。できればEL34で、偏見かもしれませんが過去の経験から、6L6族は音が淡白な印象であるためです。

完成品であれば、日本のアマゾンでも、1年保証付きという製品が3万円台で販売されていました。

以前紹介したこちらも同様です。

出力管6P1は避けたい

コスパは抜群ですが、筆者の独断と偏見かもしれませんが、出力管が小型管の6P1というのも、おススメしません。

過去に使用して(当時発売していた安価なキット)あまり良い印象がないことと、欧米・日本のビンテージ管で互換球が見当たらず(知っていれば教えてください)、球転がしの醍醐味に乏しいというのが理由です。

傾向として、このコスパの良い真空管を採用するアンプはコスパ優先なので、同じくキーパーツの出力トランスもショボい可能性が大だと思っています(個人の感想です)。

NOBSOUNDは避けたい

理由はこちらをお読みください。

長期に渡り実在し盤倍実績のあるメーカーとストアから選ぼう

「信用」という文化や意識の低い国の製品の場合、そのストアがまじめにオーディオ中心に良質な商品を扱っているかどうか?メーカーの歴史や実績などは?というのも重要だと思います。

モラルが低い国には、一発屋の不良業者は多いですが、長期に渡りそれなりの規模でビジネスを継続している店や会社であれば、毎回ウソつき商品を販売する方が損なので、リスクはまだ低いと思います。

中国ECサイトには多くの真空管アンプキットが販売されている

以前の記事で紹介した製品を扱っているショップで以下のような製品(ショップブランド)がありました。一例としてご紹介します。EL34シングルです。※110V仕様を選択してください。

同ショップは、過去6か月で販売評価数が72で肯定的評価が90%、低評価は輸送の手違いや破損といった内容のようでした。

執筆時現在の製品価格が、26,518円、送料が8,340円で、到着まで約1か月という内容でした。

13W+13Wの出力ですが、私なら、組み立て後に3極管結合・無帰還に改造(簡単な配線変更)して使うと思います。

キット製作には配線図が読めるスキルは必要

エレキット以外は、実体配線図など付属しないのがほとんどだと思います(過去の経験より)。最低限、配線図が読めること(もちろん半田ごてやテスターも必要)が前提となります。

また、電気の行帰りをなるべく沿わせて結束する(結束バンドなどで)という細かい注意も必要です。

これも過去の経験からですが、回路図はコピーを取り、配線が終わったところから赤鉛筆でマーキングすることをおススメします。

実体配線図がないと、という方の場合は、キット製品にせず、こちらの本からバラバラに部品を注文すす方が良いかもしれません。予算に関しては、時間をかけて部品を集めたりすることで、一気に出費することが無くなり少し無理が聴くかもしれませんね。出力トランスなどは、ヤフオクで中古を狙うという方法も活用できると思います。

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