「さよなら,レコード」「さよなら,DSD」オーディオ趣味における資源集中という考え方

 ツイッターで、オーディオマニアであるNonyさんの「NONYの津々浦々-[報告] さよなら,レコード」という記事を知って読んでみて、いろいろと考えさせられました。というか、以前から考えていたことですが、何かの参考になるかもと思い、こちらにまとめようと思います。

アナログ盤オーディオ

Nonyさんの選択(さよなら,レコード)

 この記事の内容は、一言でいうと記事の出だしにもある「再生環境をネットワークとCDに絞ります」という話です。

 私の場合、中学高校時代にオーディオブームがあり、その後熱が冷めて30代後半にオーディオを再開しました。その間に、結婚して引っ越した後にターンテーブルとアナログ盤をいろいろあって処分してしまい、再開後はアナログ盤オーディオには手を出していません。

 昨今、ネットワークオーディオにサブスクストリーミングが加わって、CDですら所有する意味を疑う時代になりつつあります。事実、数か月前に買取に出して半分近く処分しました。残ったのは買取の対象にならないもののみです。

 Nonyさんも、アナログ盤オーディオを止めて、ネットワークオーディオ中心にするという事の理由などが現在の流れに由来しており、大いに共感しました。記事では、冷静に音源流通など詳しい分析も加えらており参考になります。

アナログ盤オーディオをやらなかったもう一つの理由

 これはおそらく余談か脱線になると思います。オーディオ再開後に、アナログ盤オーディオ環境を再構築しなかった理由が、ただでさえお金がかかるオーディオ趣味の経済的負担を軽減することだ第一だったのですが、もう一つ理由がありました。それは、アナログ盤の音に馴染めなかったのです。

 当然ながら、他のマニアと交流すると、皆さん一様にアナログ盤オーディオもやっており、試聴会などオーディオイベントでも少なからずその一角を、そうした機器が占めています。話をすると誘われますし、その音を聴かせていただくこともしばしばです。ですが、大抵の場合、そうしたアナログ盤オーディオの音が「良いな」と心底から感じられない何かがありました。

 それはどういうことかというと、最初にオーディオに嵌った中高生時代から、社会人のはじめのころまで慣れ親しんだのが、そうしたアナログ盤オーディオのレコードの音なので、どうしても当時を思い出してしまうのです。笑い話ですが、数年前に四柱推命で見たら、私の運気は後半に連れて良くなるそうでした。実際、「三丁目の夕日」世代の私は、少年期は庶民全体が今よりもかなり貧しく、贅沢は限られた時代でした。さらに、最近のブームで知った(自己診断)ことですが、私はどうやら軽くADHDの気があるようです。良く言えば、スティーブ・ジョブズ、エジソン、黒柳徹子的な性質で、幼少期に周囲と馴染めない傾向があるようです。そうしたこともあって、私の場合、あまり若い頃を思い出したくない(言い方変えると未来志向?)ところがあります。

 レコード盤の音には、何故かそれを感じてしまいます。

オーディオにはお金がかかる

知り合いのオーディオ・アナログ盤用ターンテーブル

 私の場合、まだ中古とか自作とかを併用して少しは安く趣味に取り組んでいるつもりですが、それでもどうしても高価な機材が溢れ返っている世界ですので、結構費用が掛かります。

 そうした中で、なるべく自分の目指す音に効率的に近づけるためには、資源の集中が重要(有効な回り道は否定しません)なように思います。「あれ良いな!導入したいな!」と、強く思っても、いつまでたっても資金が調達できないのでは、話になりません。こうした資金問題は、ほとんどのマニアで議論の余地がない事だと思います。

趣味なので好きにする

 それでも結構、アナログ盤オーディオは弄る箇所が多くて楽しいらしく、趣味でオーディオをやる場合「好きにする」のは基本だと思いますので、他の方に強制することはないですし、論争したりするものでもないと考えています。あくまで、「私のスタイルはこうだ」と互いにコミュニケーションをとる範囲が適切だと思います。

 車好きであれば、マニュアルトランスミッションみたいなもので、強い興味と余裕があれば、大いに取り組んでもよいジャンルではないでしょうか。

 あくまでも、私の場合は、アナログ盤オーディオをやってこなかったし、これからもやる予定はないという話です。

DSDも大いに疑問を感じてきました

 最初に申し上げておきますと、私はオーディオ再開してから一貫してSACDが大好きです!CD販売はすべて、SACDハイブリッドにして欲しいと何度も思ってきました。ところが、何年やっても同じ原理のはずのDSD再生に魅力を感じられないできました。

 同じ方式でも、ファイル再生となるとPCなどの再生機器(ソフトや設定を含む)や、DACやケーブルの性能などの要素が上手く行っていないのか、SACDのような感動を感じたことがありません。少なくともステレオ再生において。

 これは、私の未熟と位置付けるのが妥当と思いますが、それら以前の問題として、DSDの音源(PCMから変換したものでなくオリジナルの)は、ダウンロード販売でしか入手の方法がなく、そのファイルが法外に高くてなかなか手が出せません。結局のところ、無理して買ったファイルが少々と雑誌の付録で入手したものがある程度です。

 技術的にも商業的にも、サブスクストリーミングでDSDが大きく普及することもなさそうです。

 そうなれば、DSD再生(PCM変換ナシの)は個人的に捨てても良いのではと考え、事実、一昨年導入したDACはDSD非対応で何の不自由も感じていません。無理して買ったファイルは、PCM変換で聴いています(まあ、そこまで気に入った音源もないのでたまにテスト的に)。

 DSD再生を見限ったために、ただでさえ改善点の多いデジタル系オーディオは、ずいぶん楽になりました。機材やソフトに加えて気も楽になりました。

 というわけで、DSDを卒業するという選択肢は、結構アリだと思います。機材やソフトウエア側(メーカーなど開発側含め)も、その負担が減れば、より音質改善に真っすぐ取り組めるのではないか?と思ったりもします。

本当はCDも卒業したい

 サブスクストリーミング(私の場合はTIDAL契約)を導入してから、CDやダウンロードも特殊な音源(ストリーミングに乗らないような超インディーズとか)を除いて、過去に10年以上の歳月をかけて収集しリッピングなどを経て構築したHDD(NASに入れています)の自分用音楽ライブラリーの多くの曲すら、聴く事が激減しました。情報収集には、Youtubeが便利で、音質重視で聴くのはほとんどTIDAL(特にMQAのもの)です。

 また余談ですが、Youtubeでも、恐ろしく高音質だと感じてしまうものがあって驚いてしまいます。私の場合、室内楽とカントリーのものですが、いくら調べても、サブスクには乗っていないし、CDすら出ていなくてYoutubeでしか聴けないというこの不思議。

Take Me Home, Country Roads – The Petersens (LIVE)
カントリーのお気に入りグループ

 CDも卒業したいと思う反面、買取処分した私でさえ買い取り対象外のCDが数多く残り、リッピングするほどでもない過去資産が少なくありません。過去の歴史を考えると、CDは過去資産がありすぎて、再生環境を一応残さざるを得ない、といったところです。

これからのオーディオ

 サブスクストリーミング(定額聴きホーダイ)の、ハイレゾなど高音質ストリーミングが普及した昨今、CD(リッピングを含む)や音楽ファイルダウンロードというのは、特殊な音源を除いて過去のものになると予想しています。実際に、すでに私はそうなりつつあります。

 音楽ファイルを集めたマイライブラリーをNASのHDDに入れていますが、バックアップも大変(費用と手間をかけてクラウドにバックアップしています)で、そうした煩わしさからも解放されようとしています。

 なぜ、そのようなことを気にするかというと、過去に苦い経験があるためです。私の世代では、カセットテープ、VHSテープ、ベータマックス、8mmビデオなど、手間と費用と時間をかけて構築したマイライブラリーを、不燃ごみとして泣く泣く破棄した経験があるためです。できれば「あの苦労は何だったんだろう?」と後悔することを繰り返したくありません。

※人によっては、レーザーディスク、DVDとか、紙焼きの写真アルバムもその範疇かもしれません。

まとめ

 FacebookやTwitterにも書きましたが、「単なる貧しい民の資源集中の事例ということで、趣味の幅を狭める行為ゆえ、おススメではありません。」「アナログ盤再生とDSDとダウンロードをやめることで、資源をストリーミングと過去資産のCDに集中できて随分楽になります❗」というのが、私の個人的意見であります。

ついでにおススメのYoutube音源

Vivaldi Four Seasons: Winter (L'Inverno), best version. Cynthia Freivogel & Voices of Music RV 297
ここまで美しいビバルディは、なかなかないと感じました。寄付中心の音楽集団のようで、CDやサブスクは見当たりませんでした。

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