後編はリーズナブルな組み合わせを検討します。
前編はこちらからご覧ください。
コンセプトの振り返り
5.1chとか、最近は7.1chあるいはそれ以上の、映画などを楽しむAVサラウンドシステムと、2chあるいは2.1chのオーディオシステムを、一つのシステムで両立させようという考え方でシステムを検討するというのが、当記事のコンセプトです。
しかも、スレレオ再生の場合、AVアンプに付いているようなアンプやDSPを使用せず、本格的にしかも真空管オーディオのシステムとしてピュアに再生することを狙いとします。
まずはスピーカーの選定
まずは、5.1chでスピーカーをセットするとして、リーズナブルでありながら高性能・高音質なスピーカーを選定します。
理論的な根拠もあるスピーカーとして、SONYソニーの「SS-CS」シリーズを選定しました。
以前、動画で新しいスピーカー選定の基準としてハーマン研究所の提唱するPR値というのを動画で紹介しました。こちらの動画でも、低価格でありながら恐るべしの高評価スピーカーとしても紹介したものです。
スピーカーの価格はどうなるか?
SONYストアで購入した場合の割引価格(2022.1月現在)で調べると以下のようになります。
- メインスピーカー「3ウェイ・フロア型トールボーイスピーカーシステム、SS-CS3」2台、30,800円(税込)
- センタースピーカー「2ウェイ・3スピーカー、SS-CS8」1台、10,450 円(税込)
- リアスピーカー「3ウェイ・ブックシェルフ型、SS-CS5」2台、20,350 円(税込)
- サブウーハー「25cmウーハー・115Wアンプ内蔵、SS-CS9」1台、20,350 円(税込)
<合計価格>81,950円(税込)
性能や外観からするとすべて購入しても上記の価格というのは、驚異のコストパフォーマンスといえると思います。
AVシステムは、全世界を市場に大量生産しているので、この価格が実現したものと思われます。
ただし、リーズナブルにと考えると、リアスピーカーやセンタースピーカーなどは、すでに手持ちのスピーカーを持っていたり、近所のハードオフなどで中古を購入する手もあり、さらなるコストダウンも可能です。
AVアンプ兼プリアンプの選定
AVアンプは、センタースピーカーやリアスピーカーを鳴らすと同時に、ステレオのピュアオーディオではシステム全体の音質傾向を左右するプリアンプとして使用するため軽視できません。
ステレオで使用する場合は、プリ出力(音量調節可能なもの)が必要ですが、これは中級以上の機種にしか備わっていないため、注意が必要です。
AVアンプは中古を活用しよう
スピーカーの選定で説明した通り、AVシステム機器は世界を市場にある程度限られたメーカーが大量生産しており、ピュアオーディオの機器とは比較にならない程コストパフォーマンスに優れています。
さらに、映像系の映像・音声規格は日進月歩で次々とアップデートされているため、新しい企画に対応していないAVアンプは、製品として陳腐化してしまいます。
映像系の最新音響やTVなどとのHDMI接続を重視する場合は、最新のAVアンプが望ましいのですが、今回は音質重視かつリーズナブルなシステムの検討ですので、そうした要素を逆手に取る方法を考えました。
具体的には、性能は劣化していないにもかかわらず激しく寝落ちしている旧型機を中古で入手するという方法です。
安くなっているので、当時のハイエンド機器といいたいところですが、ハイエンド機は大きくて重いので、その一つ下くらいの適度な大きさのものが良いかと思います。
主要メーカーのものは、ほとんど申し分ない性能なので、入手しやすいもので良いと思います。今回は一例として、筆者が使用しているかなり古いが性能の良い製品を調べてみました。
筆者が使用しているAVアンプ
2004年の今となってはかなり古い製品です。AVアンプは、音質や機能面で2000年以降急速に性能が向上しており、音質重視という事では、現在でもまったく問題のない性能です。
DTS-ESやDolby Digital EXにくわえ、最新のDolby Pro LogicIIxをサポート。7chパワーアンプは、各チャンネルとも180ワットの出力を持ち、D/Aコンバーターも全チャンネル192kHz/24bit対応
https://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0403/15/news016.html
とはいえ、HDMIに対応していないので、映像の切り替えなどはTV本体に依存し、TVからTodlink(光デジタル)で映像系の音声は接続している状態です。
当時の定価は、15万7500円(税込み)ですが、今入手する場合、中古店で2万円台、ヤフオクなら1万円以下で入手可能という驚きのハイコストパフォーマンスとなります。
フロント2chのみ(またはサブウーハー使用で2.1ch)ピュアオーディオ兼用として使います。
なお、現行機種だとこんな感じです。
メインアンプとして真空管アンプに接続
AVアンプをステレオのプリアンプとして使用し、メインアンプは当サイトが推奨する真空管アンプを使用します。
このハイブリッド構成は、石と球の良いところ取りではないかと考えていまして、その音質には大変満足しています。
真空管アンプは、当サイトの随所で、自作やキットをはじめ紹介していますが、今回はハイコスパの完成品を選定してみました。
以前動画で紹介したアンプとなります。
具体的な製品例(真空管アンプ)
動画で紹介した最もコスパの良い入門アンプはこちらになります。
ヤフオクはどうも、、という場合はAmazonで以下のような製品を見つけました。
よくオーディオマニアが活用している、中国からの直輸入サイトでは、以下のような製品も目に留まりました。
Oldchen el34-真空管アンプ,クラス10W,ハイパワー(ブラック、シルバー、電源電圧、Bluetooth、キットなど選択肢アリ)※価格はBluetoothなし、電源110V、完成品で執筆時現在のもの)
¥23,887+送料¥10,297 =合計¥34,184
購入者の評価も、概ね良いようです。
※この欄には、当初Nobsoundの製品を掲載していましたが、以下の2つの内容を知ってメーカーの姿勢を疑い削除しました。皆さん気を付けましょう!
映像音響で使用する際は、トータルで調整を
DSPの機能を活用することで、映画の再生などは抜群の臨場感が期待できます。
オートセットアップ機能とルームEQ機能を新たに採用し、セットアップを容易にしたのも特徴の一つだ。付属のマイクを使用して、スピーカーとリスニングルームの特性データを測定。これに基づき、スピーカーのサイズや位相、距離などを含む初期設定の自動化と周波数特性の最適化が可能になった。
https://www.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0403/15/news016.html
トータルコストを計算してみると
合計で、132,550円(税込)となりました。
最近では、安価なサウンドバーなどが流行っていますが、この程度の予算でも本格的にAVサラウンドとピュアオーディオ、なおかつ真空管オーディオが楽しめるという一例をご紹介しました。
一部、送料がかかることと、接続ケーブル類もオーディオクオリティの良いものを使って欲しいと思いますので、実際には少しこれを上回る予算が必要になると思いますが、当サイトでは自信を持ってお薦めできる内容だと考えています!
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