本記事執筆時には、隣国を嘘つきまくって侵攻するロシアは許せない極悪国であります。そのロシア製のソフトウエアを使用したり使用報告するのに少し躊躇がありました。しかし、無料ソフトですのでこれによるロシア政府の収入には結び付きません。
というわけで、以前からマニアの間で話題になっていたAlubumPlayerを使ってみました。最終的には、高音質伝送ですこぶる評判の良いDiretta(LANDACとも言われます)を組み合わせ、さらに手軽にサブスク聴き放題で世界の名盤がハイレゾ(MQA)で楽しめるTIDALを使い、納得の高音質達成です。
TIDALやローカルの音楽ファイル再生は、スマホからコントロールアプリを使って、なかなか快適です。
AlubumPlayerとは、どういうソフトなのか
10年以上の歴史のある音楽再生ソフト
上記の画像の下側の文字列にWindows XPという表示が含まれています。これで分かるように、結構歴史があり(2011年より)海外では人気もあるようで、その後も更新が続いているというユニークなフリーソフトです。ちなみにロシア語ですが専用掲示板もあるようです。
この辺りの詳しい経緯などは、こちらのみみず工房さんのサイトの記事で「Album Player」の(1)からお読みいただくと詳しく分かると思います。
マニアの計測でもたいへん低ジッター
こちらの説明も、全体像を知るには分かり易いです。実際に計測したら「たいへん低ジッター」であったそうです。また、高音質伝送で超話題のDirettaと組み合わせるととてもよいと書かれており、自分でもやってみようと思うようになりました。
なお、ダウンロードができる公式サイトは当然ながらロシアのサイトで、英語版が以下となります。
Linux版やUPnpレンダラー版もあり
上記のみみず工房さんの記事にも書かれていますが、このAlubumPlayerは、Windowsのソフトとして開発され、後にLinux版も作られたようです。普通はこの逆が多いと思いますが、これもこのソフトのユニークな点です。
汎用OSでも高音質追及の努力は、あちこちでされている
WindowsやMacは汎用OSであるがために、オーディオ的には余計なプロセスや常駐ソフト、機能などが含まれていますので、音質向上にはLinuxが有利と考えています。コスト的にも基本が無料のオープンソースであるのもLinuxの魅力です。そのため、いろいろなLinuxのソフトやディストリビューションを試してそれらを紹介してきました。
一方で、Windowsはユーザーがものすごく多く、操作もしやすいというメリットがあります。そこで、多少の不利は跳ね返して、Windowsソフトとして高音質を追求する動きは以前からいくつかあって優秀なものも有償や無償で複数存在(JplayやBugheadなど)していると思います。
Upnpメディアレンダラーでネットワーク再生も
ベースはスタンドアロンの音楽ファイルプレーヤー、すなわち初期のWindowsメディアプレーヤーのような、そのPCからアクセスできるローカルの音楽ファイルを再生するためのプレーヤーソフトです。こちらは、デザインや機能もシンプルで、今時のソフトウエアとしてはあか抜けない印象ですが、音は並のプレーヤーソフトよりも数段良いらしいです。
ASIOやWASAPPIにも対応しているので、シンプルなPC再生をしている方にはおススメかもしれません。
一方で、私はネットワーク再生派なので、レンダラー版を試すことにしました。レンダラーというのは、DLNA/UPnpの場合、音楽ファイルを格納して送り出す(NASが良く使われますね)のが「サーバー」で、スマホやタブレットにインストールして楽曲を探して再生の指令を出すのが「コントローラー」、それらのデータを受け取って音楽ファイルを再生するのが「レンダラー」というそれぞれの立ち位置です。
当初、ネットワーク再生にするとAlubumPlayerの音質は良くないというマニアの意見も見かけたので、しばらく触手が伸びなかったのですが、気が付くと5chでスレが立っていました。そちらでは、レンダラーが推奨されています。レンダラーの音質も改善されたのかもしれません。
このスレは、比較的まじめな内容が詰まっていて、実際にこれから試そうという方には、設定ノウハウなどを知る事ができる有益な情報源になっていると思います。
どうせならTIDALでMQAを聴きたい
DirettaとRoonの相性がいまいち
以前のいくつかの記事でもご紹介してように、最近はRoonをネットワーク再生のメインで使っています。かなり高価なソフトウエアで、買ったからには使い倒したいという気持ちもあります。また、そのRoonの操作性の良さや音楽レコメンド能力などは大変魅力的です。
その後、ネットワーク再生における音楽データ伝送の課題に取り組み、とても評判の良い伝送技術のDirettaをリーズナブルなコストで正規入手できたことから、悩みが増えました。
Roonは、Linuxが土台といわれるRockでサーバーを運用していますので、Direttaの一般的な送り出し方法であるWindowsのASIOを使うためには、Roonから一旦WindowsPCに送り出す必要があります。WindowsにRoonを入れている場合はこの必要はないのですが、私の環境ではそうなります。よって、間に余計と思われるWindowsPCを挟むと、そのPCのオーディオ的能力(電源や内蔵LAN機器、LANケーブルなどなど)が影響してくるため、また追加の対策が数多く必要となり、新たな悩みになった訳です。
RoonとDirettaの歩み寄り待ち
Roonは、イギリスの安くない有償ソフトウエアで、Direttaは日本で開発販売されている技術(こちらも安くない)です。そのため、ユーザーもRoonは欧米中心で、日本でも普及しつつありますが絶対数の割合は小さいと思われ、逆もしかりです。
Direttaは、開発販売元に要望すれば、Linux用のALSAというドライバーを配布してもらえるそうですが、それを組み込むにはLinuxのCUIによる設定スキルが求められる状態です。他にも有償ソフトを使えば(GentooPlayer)RoonサーバーとDirettaHost(Hostが送り出しで、受けがTarget)が同一PC上で運用できそうなのですが、なかなか一般的なユーザーには敷居が高い状態ですね。
逆に、RoonがDirettaHostをバージョンアップで内包してくれれば簡単に解決するのですが、欧米のユーザーが中心なので、そうした声が上がっても実現には時間や状況の変化(Direttaの海外普及など)が必要となりそうです。
Roonはお休みさせて、Windowsで解決を模索
RoonサーバーをWindowsで運用することも可能ですが、上記と同じで、そのPCにかなりオーディオ的対策を加えないと、満足生えられないと過去の経験から感じます。
そこで、元々Windowsのソフトとして開発され、オーディオ的対策があまりなくても高音質という評価を受けているAlubumPlayer(UPnPメディアレンダー)を試すことにした次第です。
DLNA/UPnpでの再生は簡単だった
AlubumPlayerは、EXEファイルを起動させるだけで特段のインストール作業が必要ありません。これは、80年代90年代のアプリケーションソフトを思い出します。ただし、毎回その作業があるので、PC起動と同時に常駐させる方法などが、上記の5chで議論されていたりします。
私の音楽ファイルはNASに格納しており、もともとDLNA/UPnpのサーバーソフトもNASにインストールしています。再生指示を出すコントロールアプリも、スマホとタブレットに有名なBublle UPnpをインストールしているので、操作も慣れており、簡単に再生できました。
予想通り、音質はWinsowsとは思えない位(?)良いです!
TIDALでMQAファイルを再生するにに手間取った
操作の慣れているBublle UPnpは、TIDALのクラウド・ストリーミング再生にも対応しています。TIDALのIDとPASSワードを入力して認証すると、こちらも問題なく高音質再生に成功しました。
しかし、厄介なのはMQAです。MQAの認証信号が通らないようで、この方法では、MQA対応ファイルを再生してもMQAデコーダーには通じませんでした。
DLNA/UPnpのコントロールアプリは山ほどあるので、有名どころから下調べをしてからインストールしてのチェックを繰り返します。
最終的には、こちらのアプリに落ち着きました。操作性もまずまずで動作も安定しています。ちなみに、リンク先はiphone ipad用ですが、私はアンドロイド用を使っています。
まとめ
今回の再生経路構築前と後でのTIDALのMQAは、以下の経路でDACまで信号が流れていました(ハブなどは省略、「>」はLANでの伝送)。
- TIDAL(クラウド)>Roonサーバー>WindowsPC(Diretta ASIO使用)>Diretta Target(GentooPlayer)>>USBDDC>>単体DAC
- TIDAL(クラウド)>WindowsPC(内部でAlubumPlayer UPnPメディアレンダーからDiretta ASIO)>Diretta Target(GentooPlayer)>>USBDDC>>単体DAC
かなりシンプルになり、音質的にも満足が得られるようになりました。Roonがない分、選曲の楽しみが少し減りましたが、Roon導入前はこれでやっていたので、致命的な不満とはなりません。
この方法は安く上がる
私の場合、コスト面からのアプローチではありませんでした。しかし、出来あがってみると、WindowsPCはもともと各種作業に使っていたものですし、アプリは普段使いのスマホでおまけに無料版(広告入り)です。AlubumPlayerも無料ソフトなので、費用の掛かっているのは、Diretta Target位ですが、こちらも半額キャンペーンで安く入手したのと古いノートPC活用なので、低コスト。
TIDALの月額も契約方法で変わりますが、そう高くないのでこの方法は、特にRoonが高額で悩んでいる方への福音ではないでしょうか?
いずれもこちらが、ブレイクスルーになったことは間違いないです。ただし、LinuxなどPCスキルがそこまでない方は、DirettaHostは既製品をお薦めします。既製品は高額ですが。。
なお、Direttaのざっくり解説動画や空気録音動画も公開しています。
ちなみに、私が使用していて大変満足しているUSBケーブルはこちらです。
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