OTOTEN 2022報告とオーディオイベントの小歴史など

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2022OTOTEN

今回は、半日と少しの参加でした

いろいろ事情が重なって、こうしたイベントは、丸一日あるいは複数日参加していましたが、今回は1日弱(2022年6.12、会期は11-12日の2日間)の参加となりました。

※ちなみに、事情の一つには、会場の喫煙所全閉鎖(知事が女性になるとこういう点が困ります)というのもありますが、時代の流れで苦労します。

もしかしたら、同じく昨秋に再開された「東京インターナショナルオーディオショウ」と同じ会場で、同じ雰囲気・展示方式だったので、新鮮味に欠けた印象だったのかもしれません。

とはいえ、この東京国際フォーラム・ガラス棟は、国際会議場で部屋が独立した形式なので、オーディオイベントとしては理想的な会場といえるかもしれません。

思い起こせば半年前、紅白歌合戦でYOASOBIがエスカレーターを昇りながら歌った場所が、受付と即売所となります。今回珍しく?NHKがここに出展していました。

オーディオイベントの小歴史(東京開催)

大きなものでは、6つのイベントの流れがあると思います。

OTOTEN(日本オーディオ協会主催)

古くは伝説の晴海や池袋開催として国内では最長の歴史のイベントですね。「オーディオフェア」としてスタートしました。90年代にオーディオが下火で、カーオーディオとAVサラウンドオーディオが加わり「オーディオエキスポ」、2000年代には「AVフェスタ」と名前を変えました。

さらに、時代の変化に対応すべく「音展(OTOTEN)」と名前を変えて今日に至っているようです。

日本オーディオ協会主催なので、70年代に隆盛を極めた電気電子系のオーディオメーカーと家電メーカーが中心となっているイベントといえると思います。オーディオがメインのメーカーというのは、大部分が売却や消滅していますが。。

問題意識は以前より高いようで、新興メーカー・ガレージメーカーの展示参加への配慮も感じられます。今回も、合同展示会場が設けられていました。

電気電子系開発メーカーが主役なので、「新しい技術」という点で、以前は富士フイルムが出展していたりオーディオを開始する前のPC周辺機器メーカー時代のメルコIOデータ(今回はオーディオメーカーとして参加)が出展していたという「技術開発」の展示試聴に特徴があると思います。

今回も、見たことがないようなスピーカーや、受付のある大スペースでNHK(技研?)が出展していました。

なお、名称も会場も紆余曲折、休止も度重なる苦労のイベントで、お台場や横浜のみなとみらい、秋葉原などでの開催もありました。

会場の変遷

場所というか地域で会場の移り変わりを見ると、筆者の知る限りでは以下となります。

  • 有楽町(都立電気研究所・現在の電気ビル?)、名称は「全日本オーディオフェア」1952~
  • 晴海(東京国際見本市会場)、人気絶頂の黄金時代
  • 池袋(サンシャインシティ)、1991より名称が「オーディオフェア」に
  • 有明(ビックサイト)、名称は「オーディオエキスポ」1998~
  • 横浜みなとみらい(パシフィコ横浜)、名称は「A&Vフェスタ」2003~
  • 秋葉原(富士ソフトビル他)、名称は「音展(OTOTEN)」2009~
  • お台場(タイム24ビル)、2013~
  • 有楽町(東京国際フォーラム)、2017~

※まとまった資料が見つけられず、記憶などで記載しました。補足や訂正があればコメントお願いします。

産業スパイも

オーディオが産業としてもそれなりだったためか、Facebookで情報提供を呼び掛けたところ、以下のような話が寄せられました。

Aさん「晴海時代、開催終了で撤収しに行ったのですが、大事な試作部品だけを盗まれた後でした。(詰り明らかに産業スパイ…)」

Bさん「有楽町ではたくさんの展示品を誰かが黙って持ち帰ってましたよ…私物の初期盤も何枚か持ち去られました。そんなこんなで 動作しない展示品を準備するようになりました」

東京インターナショナルオーディオショウ

コロナの関係で、少しお休みしましたが、昨秋(2021)再開されました。

かなり以前から、東京国際フォーラムのガラス棟で開催されています。1983年に、「夢の輸入オーディオショウ」として、東京九段坂のグランドパレスホテルで開催されたのがスタートだそうです。個人的に「輸入オーディオフェア」と覚えていましたが「ショウ」が正しいようです。

オーディオ輸入商社が中心になったイベントなので、JBLとか海外メーカーの代理店業務を行う商社や輸入も手掛けるオーディオメーカー(TEACのタンノイとか)が多く参加しています。

OTOTENと両方出展している積極的な内外のブランドも一部ありますが、平たくいうと主役が国産か舶来(表現が古い?)の違いがあるようです。

輸入物はハイエンドが多いので、さすがに資金力も結束力もあり、会場といい開催形式がブレないですね。※一方のOTOTENは、苦労の末紆余曲折?

とにかく高額なハイエンド機器の音を聴きたい(あるいは耳の保養)場合は最適なイベントだと思います。

東京インターナショナルオーディオショウ2021
画像クリックで動画再生>>

真空管オーディオフェアとアナログオーディオフェア

こちらは、中規模なイベントとなります。

開催が、オーディオや電気電子機器の聖地・秋葉原に近い損保会館というので、内容も似ています。「アナログオーディオフェア」は、筆者がアナログ盤再生を封印しているため、正直1-2度様子見した程度なので、あまり詳しくないですが、形式は似ている(または同じ)と思いました。

最近では、「月刊・MJ無線と実験」の出版元の誠文堂新光社が、単独主宰して自作者とパーツメーカー、パーツショップを主役にしたイベントも開催されたこともあり、これも同じ会場で似ています。

損保会館は、大ホールが即売所(イベントによっては全体発表を兼ねる)となり、エレベーターで会議室に移動すると、各会議室で展示や試聴、あるいはセミナーを行っているという形式です。

損保会館は、損害保険会社の業界団体の建物なので、普段は損保業務の研修や検定が行われます。損保会館での開催を始めた頃に、検定と開催が被って、試聴コーナーにクレームが来たことがありました。※実はその場にいました。

「隣で検定をしているので静かにして下さい!」というもっともなクレーム。一方でオーディオの試聴会ですので、大きな音で聴くのが必須の状況。笑い話のようですが、本当に有ったことです。

本題に戻りますが、一見同じようなイベントですが、主役が変わりますので微妙に出展者が屋出展内容が変わります。それを意識して参加した方が良いと思います。

即売所では、自作系のパーツショップが参加していて、押すな押すなの大盛況(その年や時間帯で変わりますが)だったりします。

たとえば「トライオードサプライジャパン」は、真空管アンプのキットからスタートしたのですが、今では結構なオーディオメーカーと成長したので、これまで記載した大部分のイベントに出展していたりしますが、内容は少しづつ変化します。

オーディオマニアの高齢化が指摘されて久しいですが、真空管オーディオやアナログ盤オーディオとなると、来場者層もさらに一回り高くなる印象です。若年、中堅層の来場者が増えると良いなと思います。

ハイエンドショー東京

ガレージメーカーからスタートして、まじめに高音質再生機器に取り組む新興メーカーや、中小の輸入商社が主役のイベント。※とはいえ、かつてのONKYOとか伝統的メーカーも出展していたことも。

すでに何年も前から休止されており、今後の開催も不明です。

東京国際フォーラムと線路を挟んではす向かいの有楽町の交通会館で開催されていた頃が全盛期だったと思います。

記憶では、最後は、現在の展示会の聖地であるお台場にて同じく紆余曲折する伝統のOTOTENの隣で同時開催という新境地での開催だったと思います。

わざわざ新しくオーディオの会社を興して取り組んでいる人々が主役なので、熱気も音として学ぶ点も少なくなく、再開を望みます!

ヘッドフォン祭り

筆者および当サイトが取り組んでいるHiFiステレオ再生(ピュアオーディオ)は、最近ではリビングオーディオという言われ方も出て来ていますが、スピーカーを使用した再生なので、ヘッドフォン・イヤフォンのオーディオとは微妙にジャンルが異なります。

しかし、昨今ではピュアオーディオは高齢化&盛り上がりに欠いた状況でありながら、ポータブルオーディオの世界は、かなり盛り上がっているようです。

コロナで中断がありましたが、2022年に再開されています。

主催は、東京・中野にあるAV機器専門店のフジヤエービックで、何と1ショップの主催イベントです。しかしながら、動員数は毎回かなりのもので、熱量も高いです。

ジャンルが微妙に異なるため、来場者層は他のイベントと全く違い若者が中心となります。試聴曲やゲストがアニソンとか声優、アイドルだったり雰囲気はかなり違います。

筆者の関心とは少し違うのですが、中野とか青山とか会場が遠くないのと、他のイベントと季節が違ったりするので、何度か参加したことがあります。

その他(伝説のオーディオ誌AVヴィレッジ開催)など

1993年4月に創刊されて、13年続いた伝説のオーディオ誌で「A&Vヴィレッジ(コスモワールド刊)」というのがあります。そのオーディオ誌が主催した「オーディオワールド」というイベントです。

広瀬学・真実の裏側にあるなんだこれ!不思議ジャーナリスト 
不思議ジャーナリスト・広瀬学が世の中にある真実の裏側をあぶりだす。東京都北区王子2-26-2-707 TEL03-6903-0740

一般的な表現では「邪道」となるかもしれませんが、他のオーディオ誌やイベントでは登場しない「オカルト系オーディオ」やガレージメーカーの情報が豊富で、とても好きなイベントでした。

会期も2日間で、決して小さくないイベントでした。

秋葉原のDAIDOビルがメインで、最後は渋谷での開催もあったように記憶しています。

☆長くなってきたので、OTOTEN2022の報告は、別のページにまとめました。

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