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高品質のオーディオケーブルやアクセサリーで人気のアコースティックリバイブの研究

アコースティックリバイブ試聴室(群馬県伊勢崎市)

 共通の知人による引き合わせで、群馬県伊勢崎市にある人気オーディオケーブル・アクセサリーのメーカーであるアコースティックリバイブを訪問し、同社の3つの試聴室と4つのシステムおよびサーバールームを見学・試聴させていただくという貴重な機会を得た。

二十数年の同じ時代を経てきたメーカーと筆者

 筆者のオーディオ趣味は、中高生時代にオーディオブームを体験したことが発端だ。進学やCDの登場(音源のデジタル化)などで一旦興味を失った。しかし、その後生演奏に多く触れる機会を持ち、オーディオ趣味が本格再開したのが90年代後半である。

 アコースティックリバイブは、1997年に「CD消磁器RD-1」を発売したのが、オーディオ部門のスタートとなる。元々は、正式社名が「関口機械販売株式会社」とあるようにコンクリートブロックマシンの会社であったようだ。そうした発端や沿革は、過去に誠文堂新光社の「MJ無線と実験」にて、柴崎功氏によって連載執筆されている。

 2000年代初期に刊行されていたユニークなオーディオ誌「A&V village (エーアンドヴィ ビレッジ)」のイベントで、まだ初々しい同社のデモンストレーションを拝聴したのが生々しい記憶として残っている。

その後も先進的なノウハウや技術開発でオーディオ製品を続々と発売

 当時も今も、異業種参入や業界出身者の独立、あるいは趣味が高じて起業というオーディオ関連企業は少なくない。2000年代に入ると、インターネットが普及し、ネットで直販する方法が出現したため、小規模なガレージメーカーも少なからず見かけるようになった。

 しかし、競争は苛烈だ。長期に渡り生き残っているメーカーは数少ない。中には、製品は良かったが、経営者が亡くなって終了した企業もあったりする。また、創業時の技術やノウハウの使いまわしだけでは、長期に渡り採算を取っていくのは難しいだろう。

 具体的な内容や製品群は、上記のMJ連載を読んでいただくとして、アコースティックリバイブに関しては、次々と先進的な技術・ノウハウを開発して、人気を発展・維持している。国内のメーカーではあまり類を見ない存在だと以前より認知している。

聴かせていただいた3つの試聴室と、4つのシステム

 筆者が持ち込んだグッズの実験も行ったため、社内の3つの試聴室でそれぞれ試聴させていただいた。マニアのオフ会や発表会、ショップ、オーディオイベントでの試聴は数多く経験しているが、メーカーの常設試聴室というのは初の経験だった。

 オーディオイベントでは、主催者が用意した会場に短期間で持ち込み・設置・調整するために、本来の実力が発揮できないという話をよく聞く。それは、その通りだろう。来場側もそれを差し引いて試聴するのが一般的だと思っている。

 仮に、アンプやスピーカーといった機器メーカーだと、当然ながらそのメーカーの機器を中心にシステムが組まれる。筆者もまったくの畑違いだが、メーカーの営業職経験者なので、「自社製品縛り」というのは厄介である側面を知っている。「この部分は他社のものを組み込んだ方が、トータルでは上質となる」ことがわかりきっている場合(実は少なくない)でも、職務上はそうはいかないからだ。

 今回のアコースティックリバイブ試聴室は、同社がケーブルやアクセサリーのメーカーであるため、システム機器に縛りはない。また、ケーブルやアクセサリーこそ、音の違いを吟味するためにシビアなセッティングを要求される。同じプロの音としても、ある意味最強な試聴室ではないかと思えた。

試聴室1(応接・商談室のシステム)

 こちらは試聴室というより、商談などを行う応接室に設置されたセット。やや画像が分かりにくいが小型のプックシェルフ型スピーカーが設置されている。とはいえ、簡易的なものではない。こちらで、オーディオ実験的なことを試みたが、変化がわかりやすい。大型システムで試すまでもなく、ほぼ結論がわかりプロの世界の凄さを改めて思い知った。

試聴室2(アヴァロンのシステム)

アコースティックリバイブ試聴室、アヴァロンシステム

 オーディオマニアにはお馴染み・人気のアヴァロンのスピーカーを中心に、2chステレオの再生に特化したシステム。左手前にはアナログ盤のプレーヤー類があり、逆サイドにはデジタル系の機器が設置されている。部屋も大きく充分な広さの立派なもので、壁の調音材なども十分吟味されたもの。

 筆者のレベルでは、まったく欠点らしきものが感じられない。アヴァロンは、音場表現を得意とするスピーカーで、同社の目指す「2ch再生での奥行き表現」をわかりやすく感じる事ができた。

アコースティックリバイブ試聴室、ウエストレイクシステム

 逆サイドには、対照的なスピーカーが設置されていた。一瞬JBLかと思たがウエストレイクのホーンツイーター、大口径ウーハー2発などによるスピーカーシステム。ジャズ系マニアなどに好まれる平たい表現でいうと音像型システム。見た通りの音がした。

試聴室3(B&W5.1chシステム)

 こちらは、スクリーンを伴い、AVサラウンドの視聴も可能な試聴室。スクリーンを上げて2chで聴くこともできる。実際にブルーレイで映画の視聴もさせていただいたが、当然ながら下手な映画館真っ青の高次元の視聴体験であった。

 この他にも、サーバールーム(オーディオサーバー類、Diretta採用)なども見せていただいた。Direttaは、当ブログでも紹介しているので参考にしていただきたい。

アコースティックリバイブが他のメーカーと違うと感じた点

元々感じていたこと

 冒頭のように、20年以上注目してきたオーディオメーカーである。元々感じていたのは、とにかく研究熱心であることだ。

 研究熱心といっても、伝統的な大手のオーディオ機器メーカーとは印象が大きく異なる。大手企業の場合は、社内の開発部門で開発担当者が緻密な研究を行っている。それらはユーザーとは違うステージで行われ、接点はあまりない。オーディオ誌の取材など以外は外部の人は立ち入りも許されない。こうした企業のOBなどと話をすると、もちろん高度な知見を有しているのだが、一般マニアとは目線や発想がかなり違うことに気付かされる。

 一方でアコースティックリバイブは、オーディオ業界の社外の人と交流が多い。さらには一般マニアともネット上の掲示板やSNSで熱心に交流を行っている。

 筆者は暇があると、ネット上でオーディオ関連の情報収集してきた。SNSが普及する以前の電子掲示板(BBS)主流時代は、それなりの質の掲示板はかなり目を通してきた。しかし、アコースティックリバイブの掲示板(現在も継続されている)は、量的にも質的にも筆者には詳しすぎて付いていけない稀有な存在であると認識してきた。もちろん、検索結果としてはしばしばお世話になる。

 ビジネス視点なら、手数が掛かり、厄介なことも少なくない一般マニアとの交流は、消極的あるいは慎重なのが一般的だと認識している。それをここまで積極的に継続している凄さというのは、オーディオ界を除いてもあまり例がないのではという印象だ。

※筆者が社会人デビューした年に、一般ユーザーからの問い合わせ電話に長時間応対したら、上司から物凄く叱られた。「仕事の妨げなので適当にあしらえ!」という趣旨だった。今でもコールセンターが有料というケースでは本質は同じと思っている。

お話を伺ってわかったこと

以前はオーディオショップ部門も

 ケーブルやアクセサリーが主たる製品である場合、ともすると限られた(常設の)アンプやスピーカーなどのシステムのみで評価・判断をしがちだと思われる。

 アコースティックリバイブは、一般メーカーや熱心なマニアを凌ぐ研究熱心さで、以前はオーディオショップ部門もあったそうだ。近くに社内の店があるため、毎日のように機器を入れ替えて試した時代もあったそうだ。おそらく、その経験に基づいた知見は、国内においてオーディオ評論家といえども容易に対抗できないのではないかという印象を持った。

800軒以上のマニア宅訪問

 さらに、社長の石黒氏は、この二十数年で800軒以上のユーザー宅を訪問して音も試聴してきたという。ショップなどを除いた数字だ。平均すると週に1件程度となる。本拠地が群馬県伊勢崎市であるため、多くは県外出張だ。さすがに、スケジュール調整で同じ方面をまとめて訪問するという事はしているらしい。

 オーディオショップが設置や細かい調整をあまりやらなくなった時代であるため、要望も多いという。

 大ベテランのオーディオ評論家も同様のことを述べているそうだが、一般マニアの場合、雑誌などで紹介されるシステムであっても、いわゆる「良い音」と感じる成功例はとても少ないそうだ。また、成功例の傾向とかの話も伺えたが、別のテーマとなるため他の機会に紹介していきたい。

粗製乱造はしていない

 同社の公式サイトのトップには「HAND CRAFTED QUALITY」と記されている。(ここから筆者の印象論・個人の感想)大企業の場合、採算性が強く求められるため、効率的な製造を追求し、中には少なからず原価も抑えるため素材の質も妥協が生じる余地がある。

 今回お話を伺って、この辺りの妥協のなさ(もちろん製品ランクは設定しているが)が、他社、特には欧米の高級ケーブルメーカーなどとは発想が違うというのが人気の理由の一つではないかと感じた。

具体的な製品紹介

 筆者のサイトやYoutube動画をご覧いただいている方にはお分かりと思うが、オーディオに関してどちらかというと自作派で、ハイエンド機材はもとより、ケーブルやアクセサリーに関しても、あまり高価なものについての知見がない。

 期待してお読みいただいたユーザーには申し訳ないが、オーディオケーブル論については、他のサイトに説明を譲りたい。

 一方で、デジタル再生に関しては、上記のDiretta含め、少なからず研究してきた。同社には「LANアイソレーター」というアクセサリーがかなり以前から販売されている。ファイル再生のパイオニアといえるLinnのネットワークプレーヤーが話題となった頃、同社のLANアイソレーターをいち早く導入した経緯がある。

 一見デジタル信号のやり取りであるLAN機器と音質は無関係と思えるが、実際にやってみると、機器の入れ替え以上に大きく影響していることがわかる。折に触れそうした話題も当ブログやYoutube動画で取り上げているので参考にして欲しい。

LANアイソレーター RLI-1GB-TripleC

 近頃は、LANの伝送ノイズを軽減するために、光LANケーブルを導入するといった大掛かりな対策をしているオーディオマニアも珍しくない。

 こちらの製品は、機器のLAN端子とLANケーブル間に挿入するという手軽に使えるノイズフィルターだ。この現行機種は、機器名でも分かるように、伝送速度1GBに対応している。そのため、ネットワーク内のどの位置に入れても伝送速度に影響がない。実際に測ってみたが、ノイズが減ったせいか筆者の環境(ルーターとハブの間に装着)では、むしろネット速度は向上していた。

 また、線材はアコースティックリバイブが開発にも参加し、同社のケーブルの品質の裏付けともなっているPC-TripleC(個人の感想としてオーディオ用銅線でこれ以上に評判の良いものを知りません)を使用している。オーディオケーブルにとって、一方で影響大の絶縁材も、長年吟味されたフッ素樹脂で、シールドは銅箔が使われている。

 ノイズカットには、アイソレーショントランスとコモンモードノイズ用チョークコイルを組み合わせている。類似の目的や構成の医療用と違い、躍動感が損なわれないようオーディオ用に調整された製品だ。

実際に使ってみて

 旧型は、すでに長年使用してシステムの一部に溶け込んでいるため、今回この現行製品を導入してルーターとハブの間に装着してみた。スイッチングハブはアナログ電源を使用しており低ノイズ化対策は施している。装着箇所はスイッチングハブのLAN端子側だ。

驚くべき変化が

 システム全体には、オーディオ用LANケーブルや、その他、慎重に吟味しながら対策はいくつか行っている。そうした環境であっても、これは想像以上の効果が出た。久々の驚きレベルだ!

 既述のように、ネット速度まで向上したため、これは科学的エビデンスも伴っている効果といえるのではないだろうか。

 ただし、執筆時現在、導入して1日目である。少し聴き込むと、SN感が向上し、音の立体感も向上しているが、効果が物凄いので、慣れの問題かもしれないが、違和感を感じる。音がはっきりした分、アーティストや楽器との距離が近くなったような印象だ。

 アコースティックリバイブ訪問時にアドバイスを受けたのは、「入れる箇所を変えて調整してみて下さい」ということであった。今後、システムとの相性などを考慮して、最適箇所に挿入できるように、いろいろ試していきたい。

この場を借りて感謝

 今回、対応いただいたアコースティックリバイブ、代表取締役の石黒謙氏とPR・Sales Managerの小林貴子氏(前職の80-90年代JPOP話でも盛り上がりました)のご両名に、この場を借りて御礼申し上げたい。

 当サイト及びYouTubeチャンネルは、長くやっているだけで、インフルエンサーとしてのオーディオマニアへの影響力があまりない。そうした筆者に、まともに対応いただいたのは、社交辞令ではなく感謝の気持ちが大きい。

 同時に、オーディオ評論家やショップとは違い、利害関係がないため良い点も悪い点も隠さず情報発信するのが筆者の記事ポリシーだ。しかし、訪問前も訪問後も、特に指摘するような課題が思いつかなかった。未熟ゆえかもしれないが。

 もちろん、ケーブルやアクセサリーは、システム全体との相性が最重要と考えている。同社の製品が最善・最上と指摘するつもりはない。導入時には、個々においてよく吟味して検討いただきたい。

Youtube版も公開

 なお、本記事、およびブログは適宜更新や修正を加えるが、今回のテーマは切り口を変えてYouTube版も制作し公開した。

ついでに、オールドレンズで風景撮影

 今回、事前にじっくり時間を取って対応いただけるという話だったので、せっかくなので一泊し、近くの赤城山方面に行ってきた。最近始めた趣味の写真撮影(というよりオールドレンズが真空管と相通じる趣を感じているがゆえ?)のためだ。スナップや近距離では最も気に入っているオールドレンズの「カールツアイス・プラナー50mmTスターコーティングMMJ(Y/Cマウントの日本製)、※オールドレンズの帝王とよく称される」が、どこまで風景写真に対応できるかという試みだ。参考までに作例を掲載しておく。

※さすがに風景写真は、各収差の抑えられた現代レンズが有利と結論付けて良いのやら?

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