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オーディオ誌激賞のハイコストパフォーマンス電源ケーブル「SAC REFERENCE1.8」の調査

2019年4月発売のオーディオ電源ケーブル

サンシャイン電源ケーブル/SAC REFERENCE1.8

オーディオグレードの電源ケーブルは、国内外で数多く発売されるので、新製品が出てもなかなか注目はおろか気付くことも難しいのではないだろうか。

この、サンシャインの「SAC REFERENCE1.8」は、そうした傾向に反して嫌がおうにもその存在を知ることになった稀有な例である。なぜなら、主要オーディオ誌がこぞって激賞しているためだ。

本記事執筆段階でのアマゾンの価格は、15,780円(税、送料込み)。1万円台の電源ケーブルは珍しくないが、この製品は10万円台のケーブルの性能を謳うハイコストパフォーマンスなケーブルというのがコンセプトだ。

国内オーディオ誌の評価

「SAC REFERENCE1.8」について、「季刊オーディオアクセサリー」の評価が突出している。ケーブルの評価では国内第一人者と思えるオーディオ評論家の福田雅光氏による詳しいレポートを掲載している。

「マニアも納得の“安くて優れた”注目ケーブル」と、タイトルで褒めており、「コントラスト、ダイナミックレンジ、低域の力強さにその特徴がある」という印象を報告している。この記事は、オンライン版の「PhileWeb」でも再録されている。同誌では、別の号でさらに正儀による高評価のレポートを掲載している。同氏の評価は、「空気感のリアルさ」「エコーの再現力」「グラデーションや色彩感の向上」を報告しており、福田氏同様に激賞である。AVアンプで使用した場合でも顕著な効果を伝えている。

さらに別の号では、海外のネットワークオーディオ事情の紹介などに定評のある逆木一氏がレポートを寄せている。こちらは、「色付けの少ないバランスの取れた音質の向上」と評価しており、コストパフォーマンスの良さをアピールする報告と解釈できた。

同誌を発行する音元出版では、「オーディオアクセサリー銘機賞2020」にて電源ケーブル部門で、全部で4種の製品を選出しており、「SAC REFERENCE1.8」が含まれている。

まさに、音元出版によるヘビーローテション。

オーディオ誌は、良く知られていることだが、一般ジャーナリズムと比べて広告バーターの傾向が強いといわれる。広告出稿のない製品は、記事で取り上げられることすら珍しく、大きい広告枠に掲載されている製品は、必ずといってよい程、記事でもそれなりのスペースを割いて掲載されている。

これをもって、オーディオ誌は読むだけ毒だとか単なるカタログ集だと揶揄されることも多い。しかし、出版社や執筆する評論家も心得たところがあり、それなりの読解力をもってすれば「しょうがなく取り上げていて、批判的内容は書けないけれども内心あまり評価していない」なのか「きっかけはともかく、実際に使用してみるとそれなりの性能だった」なのかを解釈することができる。

本製品は、他のオーディオ誌での扱いがそれほどでもないことから、ある程度そうした影響を推察することができる。しかし、その広告がそれほど大きいものでもなく、発売母体も継続的広告出稿力が大きい、いわゆる大得意という企業規模・内容でもないことから、同社では、製品そのものもある程度評価したのではないかと理解することも可能だ。

他には、純粋オーディオ誌とはいいがたいが、「特選街」では、「音の鮮度と生々しさが劇的にアップする超ハイCPな製品」と紹介されている。

買い物レビューは

アマゾン(日本)の評価は、4.6/5とまずまずながら、評価数が6件と意外に少ない。楽天市場では、2名が4/5の評価で、価格コムでは評価が立っていない。

思ったほど売れていないのだろうか?というより電源ケーブルは競合が多く激戦なので、話題性ありといえども1製品のレビューは期待できないのかもしれない。

内容的には「コストパフォーマンスの良さ」「バランスの良さ」「中低域の改善」「オーケストラの再現力」が目立ち、オーディオ誌の評価に似ている。影響されているということもいえるであろう。

一方で、高域に関しては「心地よいもしくはリアルなエコー感」として評価する声と「僅かな歪感」として否定する意見で二分されている。

海外での評価

残念ながら、海外レビューは発見できなかった。それ以前の問題として、海外販売に至っていないと思われる。

海外は、日本以上にオーディオケーブル会社が多く、良い製品も多いことから、海外販売の難易度は高く、同社の実績と規模からしてまず国内販売を優先していると考えるのが妥当ではないだろうか。

国内販売店の評価

話題性が高いことから、この種の商品としては、販売店も比較的熱心にWEBなどで取り上げている。

中でも、長年独自の視点でオーディオ機器をテストして紹介する大阪のオーディオショップ「逸品館」では、同社の評価ページとブログ、さらには同社のYouTubeチャンネルで取り上げており、比較試聴(同社で販売するほかの2つのケーブルとの比較)を行っている。

評価は、オーディオイベントなどで講演活動も熱心な同社の清原社長。評価レポートはかなり長文で、電源ケーブル全般に対する同氏の考えまで含めて解説している。

音質的には、「低音の改善」「コストパフォーマンスの良さ」「全体の品位の向上」など他と共通した評価傾向だが、メーカーが謳う「10万円クラスと対等」という程でもなく、4-7万円台の製品でも良いものは、これを上回る場合もあるという趣旨も記している。

他にも、この種の商品としては珍しく販売店発の情報発信は活発だ。やはり、音元出版のヘビーローテーションが効いていることがうかがえる。

国内ユーザーの評価

販売店同様に、国内の一般ユーザーのブログやSNSでも数々取り上げられている。数名は手持ちのケーブルとの比較評価。「高バランス」「ハイコストパフォーマンス」は総じて共通しているが、「ノンシールドなので小電力の上流機器向き」「音質傾向から下流のアンプ向き」と意見が分かれている場合もある。

トータルでの否定的な記事は、見つかっただけで1件のみ。最初は気に入って複数導入したが、使用しているうちに歪感(ざわつくような)が気になり、元のケーブルに戻したという報告があった。

実際に使用してみて

「SAC REFERENCE1.8」については、価格が手ごろなことも有り、実際に購入して使用してみた。

ただし、筆者の場合は電源ケーブルは自作含め1万円台のモノしか使ってこなかったため、ミドルクラス以上のケーブルとの比較はできない。その前提での評価として理解いただきたい。

まずは、DAC(ネットワークプレーヤー)に使用してみた。それまで、そのDACのキャラクターが強く、かなりモニター調な音質で、調整室で作業しているような、正確だけども楽しめない音に感じていた。しかし、このケーブル導入で、中低域のバランスが取れ、リスニングとして楽しめるように変化した。他の評価とも一致しており、価格を考えるとまさにハイコストパフォーマンスだ。

結果が良かったため、アンプ(真空管アンプ)にも追加購入して使用してみた。こちらは大きく変化した。真空管アンプは電源ケーブルの影響は少ないだろうという思い込みがあり、これまで自作の廉価なケーブルを採用してきたのだが、ラック内の移動のタイミングで、正体不明のケーブルに交換したところ全くバランスが崩れたため、元のケーブルに戻すということがあった直後だ。

これは、良い方向に変わった。真空管アンプにも基礎性能の高い電源ケーブルが有効だと再認識した。

変化としては、部分的な変化というより、「すべての品位が向上」したというのがまず第一。次に「重低音を含む低域」。これまで、スピーカーや部屋の特性から重低域の不足を感じることがあり、ステレオ再生にサブウーハーを併用してきた。意識した訳ではないが、本ケーブルをアンプに導入して以降、サブウーハーを使いたいということが全くなくなり、最近ではほぼ使用しなくなった。

まとめ

本ケーブルの評価は、それぞれ違う立ち位置からの報告でもばらつきが少ない。「低域含めたバランスの良さ」「基礎性能の高さ」「広域の癖を弦楽器の聴きやすさと解釈するか歪と解釈するか要注意」という音質傾向と考えられる。

一方で、10万円クラスのケーブルと対等というメーカーの謳い文句はやや疑問で、4-5万円台以上のミドルクラスを吟味して比較できる環境であれば、その方が良い結果になる可能性も小さくないと思われる。逆に、1万円台未満のモノを使ってきた場合は、少なくともワングレードアップのハイコストパフォーマンス製品と考えたい。

ただし、コストダウンとこの価格帯としての安定性向上のためにモールド仕様となっている。オーディオグレードケーブルでおなじみのオーディオ用アウトレットとインレットがないため、外観がオーディオ用電源ケーブルというより、パソコン用などの安価な汎用ケーブルと見分けがつきにくい。長期間使用するうちに、高価なケーブルということを忘れて処分してしまうというリスクは杞憂だろうか?

製品の仕様と特徴

特徴

オーディオ専用電源ケーブルは、オーディオグレードのインレットとアウトレットに組和わせて加工されるが、本製品はコストダウンのために、汎用ケーブルと同様のプラスチックのモールド加工。

これについて、メーカーは音質的にもモールドの優位性を説明している。

見た目に拘るユーザーには、二束三文のデスクトップパソコンのケーブルと見た目が同じというのにがっかりするかもしれない。よくみれば、着色などがやや高級ながら、長く使っていくうえで、安物と勘違いしそうなリスクも感じる。

1.8mの一択で長さのバリエーションがない(これもコストダウンのため)。機器設置に合わせることができないデメリットがある。ただし、柔らかいために取り回しが良く、実用的にはかえって万能的な便利さもあると思える。

仕様

・ディップ・フォーミング製法導体:高級ケーブルに使用される高価で高品質な純銅(無酸素銅)

・撚線、ノンシールド、3芯、ウルトラフレックスPVC被服

・HSE加工:完成したケーブルに電流を流し、金属結晶を再配列させる特殊処理

・長さ:1.8メートル、価格16,800円(税抜)

公式サイトより抜粋

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