オーディオ革命、スピーカー革命と紹介した元となったスピーカーを試聴して驚いた件

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オーディオ技術誌のMJ無線と実験にスピーカー製作の連載を行っている鈴木康平氏と連絡を取り合うようになって、その著書に大変感心しました。

これは長らく(一説には百年以上)技術革新のなかったスピーカーの革命ではないかと、そのエッセンスを何本かの動画にまとめたところ、かなりの反響をいただきました。

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実際に鈴木氏製作によるそのスピーカーをイベントで聴いてきました

MJ無線と実験のイベントで鈴木康平氏のスピーカーデモンストレーション

2024年10月、東京の神田淡路町(秋葉原のすぐ隣)損保会館にて、第1回MJオーディオラボという「季刊MJ無線と実験」(誠文堂新光社)主催のイベントが開催されました。

これまでも「MJオーディオフェスティバル」というイベントを同じ会場で開催していましたので、2024年は春に続き2回目のイベントでした。

MJ連載者の鈴木康平氏と池田平補氏の合同によるデモンストレーション

筆者試聴プログラムのトリとして、鈴木康平氏、池田平輔氏の両氏によるデモンストレーションが行われました。鈴木氏は兵庫県在住で、なかなかお話を聞いたりスピーカーの試聴ができるという機会が少ないので、貴重な機会でした。

オーディオ革命の音を実際に試聴した感想は

その前に、スピーカー革命のエッセンスとは?

あくまでも筆者が鈴木康平氏の著書やお話を聞いた中での解釈ですが、エッセンスは以下のような内容となります。

  • フルレンジ信仰はもはや古く、クロスオーバー設計技術の進歩によりマルチウェイが優位に
  • インパルス応答測定や、スピノラマ(スピーカーの前後左右360度からの測定)と測定技術が進歩
  • 電圧配分の従来型クロスオーバー計算式から、リスニングポジションでの音圧バランスをシミュレーションするアプリケーションによるクロスオーバー設計へ

詳しくは、MJ無線と実験の連載記事や単行本を、また概略は上記の動画をご参照ください。

記事や書籍に紹介された製作者の評価は?

要約すると、一般的な自作スピーカー(記事には謙遜で鈴木氏が過去に製作したと記載されていますが、筆者の意訳ではこうなります)とは一線を画す独特な音に。

中庸なバランスが取れた音であり、定位がシャープでありながら左右の広がり奥行き感が充実しているという内容です。技術的にはLR2型クロスオーバーの特徴だそうです。

また、採用したツイーターのウェーブガイド方式(主目的はウーハーとの位相合わせ)というのもかなりの効果を出しているという事です。

もちろん、スピノラマでの測定を基にしており、それもあって高いPR値も達成しているという事です。

これは、聴きたくなりますね。

鈴木康平氏の自作スピーカー、MJ無線と実験で連載した

筆者が聴いたオーディオ革命スピーカーの印象は?

上記の鈴木氏の自己評価をあらかじめ読んでいたことも有り、試聴の1-2曲目は、ただただ唖然とする感じで聴いていました。

確かに従来の特に自作系のスピーカーとは一線を画す印象でした。イベント当日、他のデモンストレーションもいくつか聴いたのですが、全く世界が違って聴こえました。

欠点が見当たりません。クロスオーバーや位相の違和感も全く感じず、音楽(低域バリバリのクラブ系などを除いて)を聴くのに十分な広帯域です。よくサイズを超えた広帯域と評される小型スピーカーがありますが、このスピーカーも目を閉じると12cmウーハーの小型であることを忘れてしまいます。

聴き込んでいくとモニタースピーカー的な感覚にも

今回のイベントは、同じくMJ無線と実験の連載をしている池田平輔氏との合同なので、鈴木氏の講演と試聴終了後も、同じスピーカーを使って池田平補氏のDAコンバーターや、アナログ盤プレーヤー(リニアトラッキング)、アンプなどの説明が行われました。

結果的に多くの曲数を聴く事ができたので、聴いているうちに少し慣れてきました。

前述の通り、欠点が見当たらない印象です。

アイドルや女優さんに例えるとAI美女とまではいきませんが、均整の取れたタイプで、昔のアイドルや女優さんなら、香坂みゆきさんや酒井和歌子さんで、最近の女優さんなら木村文乃さん?個性派とは逆のタイプでお隣の国の韓流では多いパターンですね。

聴きながら思ったことその1

この欠点の見当たらないスピーカーでは、その中でも気になるところはないのか?という姿勢で聴いていました。

考えてみれば、イベントなどで普段聴く市販含めのスピーカーは、その個性を聞き取ろうとします。そもそもスピーカーは不完全性のものなので、良い点をくみ取ろうという姿勢になることが多いです。

先の例えで行くと、個性派美女を見るときの良い点を探す状態に近いと思います。

聴きながら思ったことその2

次に、この感覚はどこかで覚えがあるなと感じました。何だろうと考えると、オーディオルーム系ではなくスタジオ系の感覚です。

オーディオ機器のような味付けのある音ではなく、業務用の正確な音。言い換えると粗探しできる程緻密で冷静な再生音です。アンプもトランジスタだったことが影響しているかもしれません。

最近では、札幌の関井スタジオで聴いた、同じくらい小型のスピーカーでも物凄く高価(2本で88万円とか)なレイオーディオのスピーカーがそれに近いと感じました。

原価約5万円(自作なのでこのコストですが、製品化するとおそらく数十万円だと思います)と88万円で価格は違いますが、世界観が近いように思いました。

まとめ

やはり論より証拠というか、聴く機会を持てて本当に良かったと思います。

原価5万円だそうですが、ユニット単体では、かなり安い部類だと思います。これがさらに味のある高価なユニットになると均整と個性(ユニット以外にも方法論がいろいろあるのかもしれません)が両方醸し出されてさらに凄いことになりそうです。

◆当日デモンストレーションされた12cmウーハーのDayton Audioバージョン使用ユニット
トゥイーター
https://www.parts-express.com/Dayton-Audio-ND25FW-4-1-Soft-Dome-Neodymium-Tweeter-with-Wa-275-051?quantity=1

ウーファー
https://www.parts-express.com/Dayton-Audio-SIG120-4-4-Signature-Series-Extended-Range-40W-Driver-4-Ohm?quantity=1

◆参考:書籍で紹介されている17cmウーハーのSB Acousticsバージョン使用ユニット

筆者は、オーディオ的に変態中毒なので、真空管が入っていないシステムが苦手です。自作もするため、普段のメインリスニングは真空管アンプです。真空管アンプは特性として測定ではトランジスタ系に敵わないけれども味があるとよく言われます。

最近始めた趣味の写真でも、正確性よりも味のあるというオールドレンズを愛好しています。

つまりは、個性派。70年代末期の日本のオーディオメーカーは、測定値至上主義で欧米のメーカーに比べて音楽を愛する姿勢に乏しかったと批判されることが多かったそうです。

今回のような、最新技術の革命的進歩をベースに、自作も市販もより均整と個性の備わった素晴らしい製品がどんどん出てくることを期待します。

最後に、大阪の自作スピーカーイベントも大成功だったようです

鈴木さんと連絡を取るようになったのは、こちらの2024年9月の自作スピーカー発表会の件です。

7作品の発表となったようですが、主催の鈴木康平氏いわく「どの作品も非常にバランスが良く、私が知っているアマチュアの発表会とはレベルの違う音でした。ちなみに4作品はスピノラマを参照した設計でした。」とのことです。

さらに、技術志向の参加者揃いで、各々の発表と共にディープな質疑応答の応酬があったということでした。

日本の未来は明るい様です!

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