前回、Linux用のRoonOSを使ったが、ROCKも試したいと考えていたところ
以前自作した、こちらのRoonサーバーは、LANケーブルをオーディオグレードに交換したり、電源その他の対策によって、かなり良い感じで運用できています。
とはいえ、本来はRoon純正のROCKというRoonOSを入れたかったのですが、BIOSをUEFIからレガシーBIOSに設定変更する方法が分からず、やむなく汎用Linuxのubuntuベースで組んだのが心残りでした。
ラズパイオーディオなど、他のネットワークオーディオの経験で、OSは無駄を省き最小限に絞り込んでいくほど音も良くなる(ことが多い)と思っています。
であれば、最小と思われるROCKを試したいなと。
ヤフオクでピッタリの中古PC発見
ヤフオクを眺めていたら、そんな思いを大きく燻る中古PCを発見しました。
法人払い下げの、富士通製による小型・静音PCで、モニターの裏に固定してオフィスの静寂性を邪魔しないという手のひらサイズ機です。
しかも、OSもハードディスクごと取り外されていて、余計なものが付いていないうえに、Roonサーバーとしての最低基準を満たしていて2400円と格安です。
これをRoonサーバーにしていく過程は、こちらの記事に詳しく詳しくまとめています。
さっそく試聴して音質評価をしてみましょう
まずは始動お試し運転を組んだ環境にて行って音質評価
これは、作業用環境なのでオーディオ的対策は全くとられていません、というか、オーディオ的には劣悪。
ラズパイオーディオなどでは、不思議とあまり差を感じないのですが、特にRoonはネットワーク環境にシビアで、音がコロコロ変わります。
ラズパイオーディオに関してはこちらの記事でまとめています。
当初は、データベース(自分の音楽ファイルライブラリなどの)のバックアップ復元が不完全だったため、この調整にCPUパワーをとられつつという悪環境での試聴です。
これは話になりません。ぱっと聴きは「良いかも」と思ったものの直ぐに「だめだこりゃ」という全体にノイジーな音でした。
改めて考えると、Roon初心者はこのような環境も有り得るため、そこで挫折しないか心配してしまいます。
一段落して、オーディオ環境でRAATで試聴し音質評価
通常のRoonの運用は、2つの経路を用意しています。DAC(NWP)がRoon Readyであるメリディアン218なので、直接LANケーブルから音声信号を入力する方法、すなわちRoon純正の伝送方式RAATを使う経路です。
メリディアン218については、こちらの記事にまとめています。
で、音の印象ですが、だいぶオーディオらしくなりました。
特に打楽器系の、中低域が素晴らしく「乾いた音」「締まった音」に感じます。この段階で、こちらを常用にしようかと考えたもしましたが、一方の中高域が気に入りません。
やはり、僅かにノイジーです。薄く付帯音が付いて、やや煩めの家電オーディオレベルの音に感じます。
ちなみに、以前、ネットワーク環境のオーディオ的改善に取り組んで最初に成果を感じたのは、こちらのLANケーブルです。
オーディオ環境でDaphilleをRoonBridgeにして試聴し音質評価
次に、もう一つの経路として伝送をRAATではなく、より評判の良い(?)Srueezebox伝送に出来るDaphille経由です。
音質的には、やっとバランスが取れました。中高域のノイジーさもなく、中低域の乾き感はそのままで、くっきりして余韻の少ない、生っぽさが出ます。
この生っぽさというのは、オーディオ的に凄く好まれる生演奏感とは少し違って、ステージやスタジオのマイクとモニタースピーカーを通じて素の音を関係者が効いているような、ややそっけない業務用の音といった印象です。
過去には、中華デジアンを使って、似たような色気に欠ける音をサブシステムで出していたことがあるのですが、積極的に音楽を楽しもうという気にあまりならなかったのを記憶しています。
和太鼓などを鳴らすと、生のパフォーマンスを生録再生したような感じで、これはこれで良い感じです。
Daphilleについては、こちらの動画にまとめています。
以前のubuntuベースのDesk mini 110との比較
ROCK + Daphilleが良い感じだったため、この段階では、正直悩みました。新しく作った方を常用にしようかという思いとの葛藤です。
しかし、新しいROCKは、最低スペック(一応メモリは最低4Gですが8Gまで増設しましたが)でお試しで構成したものです。
CPU能力に大きな違いがあり、元のサーバーが「Core i5 6600(第6世代)」に対して、新しいサーバーは「Core i3 3220T(第3世代)」です。この位世代差があると、CPU能力は相当違うはずです(メモリーはどちらも8G)。
ただし、発熱量はかなり違い、元のサーバーは自作PCにありがちなそれなりの熱を感じるのに対して、新しいサーバーは、さすが法人用というか、ほんのり暖かい程度で、しかも音もかなり静か(耳を近づけないと騒音を感じません)です。
結論が出せないので、元のサーバーも再インストールしてROCKに変更してみることにしました。その後、以前障害になったBIOS設定変更も調べて対応できそうでしたので。。
Desk mini 110にRoonのROCKをインストール
ROCKのインストールは、立て続けに二度目でしたし、当ブログに詳細もまとめていたので楽でした。
ただし、接続で少しトラブりました。そのROCK接続のトラブルとその解消した経緯はこちらにまとめています。
2台のROCKによるRoonサーバー(Roon CORE)の音質比較
もはやRAATを試す気にならず、いきなりDaphilleをRoonブリッジとして使いました。Roonコントロールの動作は、CPU性能の高いDesk mini 110の方が、やや滑らかに感じますが、音質的にはどうでしょう?
これは良くなりました!ubuntuより、ソフトウェア的には僅かな違いですが、それでも良い感じです。こうした差を感じると、WindowsやMacを使っている人は残念に思いますね。
※Windowsの場合、高価なHQPlayerとDirettaを使うといった伸びしろがあり、その場合は、Linuxを上回るという評判です。念のため。
音質の印象は、富士通ミニPCが渇いた業務用のリアリティであるのに対して、Desk mini 110は、オーディオ的な音で生音感では負けますが、余韻が多く加わり、音楽鑑賞の満足度が高まる印象です。
結論
今後の常用機としては、差は小さいものの、Desk mini 110に軍配が上がりました。CPU性能が高くコストも、約1万円対約3万円ですので、順当といえば順当。
深まる謎
話は本題とそれていきますが、ネットワークオーディオおよびPCオーディオに関する謎が深まる部分もあります。
オーディオ界では、デジタル系に使うPCのCPUなどスペックは、高い方が良いという意見と、低い方が良いという意見の両方があります。これは、どちらが正しいという事でもなく、環境によって変わるという見方もできます。
比較的古典的な、USBDACでローカルの音楽ファイルを再生するとか、単純なDLNA再生だと、CPU性能がそもそも大きく必要ないので、CPU性能が低い方が、ノイズや発熱(電源やファン音に影響)に有利であるという前提で、ネットで調べると、CPUをクロックダウンまでして音質追及されている方も見受けられます。
一方で、Roonなどに関しては、今回の実験でも、CPU性能が高くOSが軽い方に軍配が上がりました。
<例えばの仮説>
プレーヤーとして使う(Roonサーバーがそれですね、DLNAやMPCのクライアントであるNWPなどの一般的使用なども )場合は、CPU性能が高い方が有利。
Roonでいえば、ブリッジやRoon Readyなどのようにレンダラーとして使う場合は、低い方が良い。
※自分で書いていて何ですが、あまり腑に落ちません。
もう一つ謎
今回の実験でも、Roonは特にネットワーク環境でコロコロ音が変わります。オーディオ界では、光LANを間に入れて、ノイズをアイソレートする機器などが発売され、汎用機材で試す方も含めネットワーク環境改善はかなり盛り上がっています。
おそらくRoonの普及と無関係でもないと思います。
ところが、ラズパイオーディオ界ではそうでもないです。たとえばLANケーブル交換してもあまり音が変わらないという声も意外に見受けられます。
というわけで、まだまだデジタルオーディオには謎が多いですね。
おまけ(磁石を使った音質改善)
ついでに、今回以下のノウハウをLANケーブルで試してみました。
Roonは、LANケーブルに敏感なのでもってこいの実験かなと考えまして。
結果、凄く良くなったような気がします。ただし、理論的なことがよくわからないのと、私だけの印象ではブラシーボに終わってしまうので、220円で出来る実験ですので、是非皆さんお試しください!結果はコメントで教えて下さい!!
当サイトでも、今後の報告ができそうになったら、是非続報を書きたいと思います(乞うご期待?)。
参考製品のご紹介
磁石を使った音質改善機材としては、すでに以下の製品がかなり高価ですが発売され、一部で(なぜか広がりに欠ける感が)かなりの話題を呼んでいます。
上記の実験を行う上で、これらの製品を認知しておくことをお勧めします。
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