こんなに簡単で高音質!?とりあえず買っておきたいBlutoothレシーバー/「Topping BC3」の長期使用レビュー(本格オーディオシステムに接続)

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今回、Topping日本代理店のオレメカ様のご厚意により、高音質BluetoothレシーバーBC3を長期貸し出しして頂きました。
メインの据え置き型オーディオシステムに繋いで、かなりいろいろ聞いたので、そのレビューをお送りします。

※宣伝費など、金品の授受はありませんので、正直レビューとなります。

なお。Bluetoothに興味を持った理由は、こちらの動画で説明しています。

高音質Bluetoothレシーバー、Topping BC3とは、ざっくりどんな製品か

 最近ではオリジナルの技術開発に力を入れているToppingの単体Bluetoothレシーバー。同社のDAC製品やD級アンプが世界中で、コスパと高音質で評価され続け、一昔前のモノマネ製造中華製品から一皮剥けたToppingが開発した製品です。

 これまで、Bluetoothレシーバーといえば、PC周辺機器メーカーなどが専門メーカーから供給されるチップと周辺回路をそのままパッケージした安価な製品が中心でした。

 一方で、LDACやaptX HDという高音質コーデックが実用化され、Bluetoothも本格オーディオに組み入れられる土壌が育ってきますぃた。

 このTopping BS3も採用しているCSR8675など、チップや周辺回路はほぼQualcomm(米国が拠点でCSRを買収)製であるため、オーディオ分野の製品は、既存のDAC、ネットワークプレーヤー、アンプ、DAP、イヤフォンなどに付加機能(おまけ?)として簡単に組み込まれるパターンがほとんどでした。

 しかし、当サイトのユーザーなど本格志向のオーディオマニアは、すでにレベルの高いDACやアンプを使用しているのがほとんどで、今更Bluetoothのためにそれらを買い足すというのはあまりないかと思えます。そうした需要を見越してか高音質志向の単体Bluetoothレシーバーという現在はまだニッチなジャンルの製品として発売されているものです。

 タバコの箱を一回り小さくしたような、スマホと同じような充電して使うコンパクトな製品です。

※紹介製品が販売終了のため、同一メーカーのBluetooth受信機能を持つ製品のリンクを貼っておきます

【楽天市場】Topping トッピング DX3Pro+ DAC ヘッドホンアンプ Bluetooth5.0対応 リモコン付き プリアンプ ハイレゾ ワイヤレス NFCA LDAC オーディオデコーダー ヘッドフォンアンプ アンプ デスクトップ ダック DX 3 Pro + 同軸 光学 USB バランス シングルエンド 入力 RCA 出力:オレメカ
DX3 Pro後継機 DAC ヘッドホンアンプ LDAC ハイレゾ 対応。Topping トッピング DX3Pro+ DAC ヘッドホンアンプ Bluetooth5.0対応 リモコン付き プリアンプ ハイレゾ ワイヤレス NFCA LDAC...

Topping BC3のシンプルな機能

入力はBluetoothのみ

 Bluetooth5.0に準拠してLDACやAAC/SBC/aptX/aptX-HDという音声コーデックが唯一の入力。ここまでシンプルなのは、以前からあるPC周辺機器のもの以外、純粋オーディオ製品としてはあまり見かけません。

デジタル出力(TOSLINK)に加えアナログ出力(RCAおよび3.5mmヘッドフォン出力)

 冒頭で説明したように、本格的オーディオシステムと接続するとすれば、デジタル出力になると思われるが、デジタル出力の伝統的なS/P DIF規格でも、同軸はなく光デジタルのみとなります。ここは少し残念ですが。。

 アナログ出力は、全くのおまけだろうと思いきや、本格オーディオ機器の定番DACチップメーカーであるESS社の「ES9018Q2C」というDACチップを搭載しており、オーディオグレードの出力性能を備えています。

Topping BC3の入力端子
光デジタルはLINE OUT端子と共通(TOSLINKのミニから標準へのアダプターは製品に付属)

電源はUSB type-Cによる充電オンリー

 こちらも大変シンプルで、今時のスマホと同様、USB規格の充電のみとなります。リチウムイオンバッテリーが内蔵されていて、満充電で11-12時間使えるという仕様になっています。

 充電型というのは、モバイルオーディオ機器と同じ方式となりますが、確かに大きさからして、屋外やカーオーディオといったモバイル使用もありなので、合理的かもしれません。

 オーディオにとって、電源は最重要といっても過言ではない重要なファクターなのですが、据え置きで使う場合、充電の手間は不便ですが、物量投入が不可欠な電源が、こうしたシンプルなバッテリー駆動で解決できるのは、拍子抜けするほどシンプルです。

 バッテリー駆動でも、鉛電池などと違い、レギュレーターを伴うのと瞬発力にやや劣るリチウムイオン電池なので、オーディオには最適条件ではないと思います。しかし、モバイルオーディオ機器の隆盛から、ここでの高音質対策(レギュレーター性能など)は相当に進んで(コスパ含め)いると思えますので、「そういう手があったか」と頷かされました。

開封もシンプル

 本体が小型なので、箱も小さく、付属品も、光デジタル・ミニ端子アダプター、USBケーブル、説明書、保証書と全くシンプルです。

Topping BC3の開封
多言語マニュアルで日本語解説もありました

主な試聴環境

 まずコーデックは、最上位のLDACオンリーです。他のコーデックとの違いなどは、オーディオマニア向けという趣旨と違うため試しませんでした。

 メインシステム、サブシステム、アナログ接続(メインシステム)という3パターンのシステム構成で試聴しました。

 送り出しは、手持ちのシャープのandroidのスマホです。androidで比較的新しい機種なので、LDACに対応していました。スマホの共通設定でコーデックを選択するので、再生アプリによっていちいち設定し直す手間は不要でした。

 再生ソフトは、MconnectRoonです。

<メインシステム概略>
単体DAC:   メリディアン218
プリアンプ:  中国製キット、WE403B単段
メインアンプ: KT88トランス結合無帰還シングル、自作真空管アンプ
スピーカー:  LS3/5a(スペンドール)

<サブシステム概略>
DAC+プリアンプ:DENON AVC-3890
※コンセプトは「真空管オーディオとオーディオ&ビジュアル(AVシステム)の両立
メインアンプ:  50BM8パラシングル、自作真空管アンプ
スピーカー:   フォステクス2Wayバスレフ(FF225WK + FT7RP)

Topping BC3の音質レビュー

メインシステムではやや薄味?

 まずは、メインシステムにToslinkで繋ぎ試聴しました。前回、ifiオーディオのZEN One Signature試聴時には、最初の設置で躓きましたが、Topping BC3は小型で電源接続不要でToslink(光デジタル)ケーブルのみなので設置の自由度は高くて、そうした他の機器とのノイズ干渉は避ける事ができました。

 この状態で、いろいろなジャンルの音楽を比較的長期間聴いたのですが、「元のファイルの特徴がわかりやすい」というのは、ifi ZEN One Signatureと同じ印象でした。ハイレゾはハイレゾらしく聴こえ、元があまり録音状態の良くないソースは、それなりに聴こえます。

 こうした特徴は、LDACの最大96kHz/24bitで音源によって可変というコーデックの特徴なのかもしれません。

 また、バッテリー駆動のためか、一段とノイズフロアが低く感じて、すっきり爽やかな音色です。こういうノイズの少ない音質は、マニアによっては雑味が減りすぎて「音のうまみが削られている」と感じる方もいらっしゃるようです。

 厚みのある音にしたい場合は、システム側の機器やケーブルを工夫すれば、出音は好みに調節できるのではないかと思えます。その逆の雑味の有る上流だと、なかなかできないように思いますが。

 通常使用しているネットワークオーディオとは、全体の音質は明らかに違いますが、中下流は同じなので、よくあるレビューの「高域が、低域が」というようなディティール部分はあまり違いを感じませんでした。

 Topping BC3は、据え置きピュアオーディオでも充分使えるレベルであると思います。Bluetoothの簡単手軽なシンプルさに、小型バッテリー駆動という設置の楽さを考えると、今回も「ネットワークオーディオの物量投入の大変さ」に対して、しみじみ複雑な思いがこみ上げます。このテーマについては、動画でも取り上げています。

オーディオ系YouTube動画「Bluetoothは本格オーディオに使えるのか?」
画像クリックで動画再生>>

 ネットワークオーディオやPCオーディオ、さらにDACとしての使用・発展性、そして電源のグレードアップなど、いろいろな伸びしろを考えると、前回紹介したifi ZEN One Signatureに軍配が上がります。しかし、簡単、シンプル、圧倒的なコスパの高さを考えると、Topping BC3は、「とりあえず買っておこう!」と考えても良い製品だと思いました。

 とにかく、1万円以下でこの性能は凄いです!

サブシステムではウェルバランス

 メインシステムで感じたような、やや薄味スッキリ系がこちらでは元々厚めの音なので中和され、非常に良いバランスになりました。こちらはプリアンプ(ラインアンプ)がDENONという癖のないもので、メインアンプはシングルながら大型管で良く使用するU-808という大きなトランスを使い、NFBも効かせているというものです。

 低域の充実感も十分で、「音楽を楽しむならこれでもう良いのでは」と思わせるような印象でした。

アナログ出力も試す

とんでもない現象が

 ここでまず、トンデモないことが起こりました!

 で、その前に、特にToslinkからの切り替えは使いこなし上少し厄介でした。まあこれは頻繁にやる事ではないですが。。LINE OUTと同じ端子を使うため、嫌な予感はしたのですが、なかなか切り替わりません。一旦強制的にスマホとのペアリングを切ってやり直すとやっとつながりました。

 さらに、自動的に可変出力となりました。アナログ出力で固定出力の設定がありません。そこで、32ステップですので、音量増加ボタンを念のためも含め32回連打する必要がありました。これも頻繁にやる事ではないですが、最初に少し厄介な作業が必要になるという事です。

 次にそのとんでもないことですが、まずメインシステムに繋いで試聴したのですが、明らかに音が変です。価格なりといえど、これではなあと落胆します。位相が狂ったような悪い意味での個性的な音です。低域も出すぎ。。そこで、サブシステムに繋ぎ変えました。動作しながら繋ぎ変えができたのは小型でバッテリー駆動ならではの手軽さです。

 サブシステムは、写実性というよりややおおらかな音なので、少しは和らぎますが、とにかくオカシイ!!

 いろいろ考えあぐねていると、原因がわかりました!スマホの電池残量が減っていたので、充電器に繋げたままで試していました。充電器は安物スイッチングACアダプターなので、オーディオには大敵!これを外すと、まともな音になりました。やれやれ。やはりデジタルといえど、無線といえど、送り出しは重要であることが再認識できました。

気を取り直して再試聴

 さすがに、古めの下位モデルチップといえど、ESSのチップを使ったDACなので、実に真っ当な音です。筆者のようなこだわりが少ない人のカーオーディオであれば、十二分な音質であると思います。クラシックでのオーケストラの倍音もちゃんと表現します。

 Toppingは、世界中にDAC製品を売りまくっている会社なので、この価格帯の機器といえど、安くて音の良い部品(オペアンプとか)を知り尽くしているためではないかと想像しました。

 以前試したifiオーディオの機器は、同社ならではのDACの音があり、こだわるオーディオマニアは、細かく追及して高価な好みの単体DACを導入する傾向が強いですが、入門ならこれでも充分行けるという感じがしました。

Topping BC3の製品仕様

Topping BC3の製品仕様
オレメカ楽天市場店より引用

未解決のBluetoothならではの課題

 Roonから音出しすると、それぞれの経路のサンプリングレートとビットレートが表示できます。一方でLDACは最高が96/24です。使用したシャープのスマホでも、Bluetoothコーデック設定という設定メニューで96kHzサンプリングレートの有効化という項目があり、ONにしています。但しここの表示で「apt X Adaptive」となっており、LDACのメニューはありません。

 結局Roonの表示を信じると、48/24で送り出されていることになります。確かに48/24も日本オーディオ協会が定めて認定するところのハイレゾではあります。シャープのスマホ公表仕様でも「ハイレゾ対応」となっていますが、96/24対応とは書かれていません。

 似たような問題が生じて、ipadなら96/24で送り出しに成功したというようなブログ記事を見つけました。当サイトではこの問題が未解決です。

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