前編では、当ブログおよび運営しているYouTubeチャンネルの造語である「オーディオ原理主義者」と、そうした人が陥るデジタルオーディオを考える上での落とし穴などにつてまとめました。
後編では、デジタルオーディオ原理主義者の具体的な意見を、当ブログが運営するYouTubeチャンネルに寄せられた実際のコメントから抜粋して引用・紹介(コメント全体は投稿者に著作権があるらしいので)します。

運営しているオーディオ情報のYouTubeチャンネルはこちらです。
- いただいたコメントの古い順に紹介します
- LANやUSBのデジタル伝送路は音質に影響しません@yonofunaki3502
- デジタルは音の劣化は無いです、むしろ劣化させる方が技術的に難しいです@MRCD
- 私はコンピュータエンジニアでありネットワークエンジニアです@midoriedward3379
- データ通信(TCP/IPなど)の基礎を学んでください@健生GC工作員
- 電波だなあ。トランスポートの出力のジッタがバッファのメモリに記録されるわけないじゃん笑@やまよう-i7k
- この前も別のサイトに書き込んだが、こんなこと、いくら議論しても@匿名野郎-i1l
- LANケーブルで音が変わるっていうことは、送り側と受け側でデータが変化してしまっているっていうことなのでしょうか?@tetsuji0814さん
- 01のデジタルデータがケーブルで変化する事はありえません@mm-vk2om
- LANの信号の実態は結局アナログなんです@sukasuka7371
- 全て「プラシーボ効果」で説明できる@原田〇〇〇
- 正しい理解促進のため、デジタルオーディオについてきちんとした書籍(ソース)を参照した動画も公開しています
- 今回は以上ですが、新しいコメントをが入ったら、随時加筆する予定です
いただいたコメントの古い順に紹介します
※書き込み名が本名と思しきものは〇〇でボカシました。
LANやUSBのデジタル伝送路は音質に影響しません@yonofunaki3502
通信の速度や信頼性(再送頻度)に影響するだけです。(中略)amazon hdなどのストリーミングは下位の通信プロトコルにTCPを使っているので受信機側は正しいデータのみを受信します。LANの信頼性が低い場合は再送が頻発し、受信が間に合わなくなると音が止まります。光アイソレーションやオーディオ用HUBを使っても音には全く影響しません。(後略)
TCPを使った音楽ストリーミングサービスはエラー訂正が働きますので、音楽データも欠落なく伝送されますね。ここまでは良いとして、それ以外のUSB伝送も正確なデータを転送するとか、正確なデータなら音は不変だとか、典型的なデジタルオーディオ原理主義者ですね。
また、表現が断定調です。完璧に信じ込んでいるためですね。別のマニアが突っ込みを入れても誤解に信念を持っているため、堂々と反論しています。隣の国の半日主義者を思い浮かべました。この後紹介する方々も概ね同じ傾向です。
デジタルは音の劣化は無いです、むしろ劣化させる方が技術的に難しいです@MRCD
何故かと言うと1ビットでも変わると同期ズレを起こし音になりません(中略)パケット信号にも2種類ありTCPパケットとUDPパケットがあります、エラーがでるとTCPパケットは再送要求し再送してもらいます、UDPは全部ゼロで埋め同期ズレの回避をします、UDPパケットの場合音が変化しますが、ダウンロードは間違いなくTCPです、ストリーミングは怪しいかも。
TCPとUDP(現実のネットワークオーディオでは混在するようです)を切り分けているところなど、単純なデジタルオーディオ原理主義者とは違いレベルは低くないと感じます。音の劣化は、何を意味しているのかにもよりますが、音の変化という言い方から見てもデジタルオーディオ原理主義者と考えざるを得ませんね。単純なタイプと違い、豊富なオーディオ体験をお持ちの方のようなので、原理主義からなぜ抜け出せないのかが謎に感じます。
なおTCP/UDPについては、こちらの記事をご参照ください。
という具合に、ある程度まともな方かと思っていたら、別の動画に次のようないかにも原理主義的なコメントをいただき閉口しました。この方も、まともなマニアからの突込みには攻撃的かつ断定調で反論されています。ネット以外ではお近づきになりたくないタイプだと感じました。
LANは金融機関や医療関係も使いますので、1円でも違うと大変な事になります、従ってHUBやLANは第3者機関の認可が必要です
私はコンピュータエンジニアでありネットワークエンジニアです@midoriedward3379
デジタルデータというものを理解しないで議論されていますね。CDの音もデジタルデータです。CDからデータをちゃんと間違いなく読み出せれば、その後はどのような経路、手段を取ってもデータは変化(劣化ではありません)しません。一例を挙げると、銀行口座の残高が勝手に増えたり減ったりすることはありません
このコメントを読んで以来、最初の「私は」のセンテンスがしばしば頭の中でグルグルします。そのくらい、表現も内容もデジタルオーディオ原理主義者の典型と感じます。あまりの見事さに別の意味で感心してしまうのです。
データ通信(TCP/IPなど)の基礎を学んでください@健生GC工作員
もしノイズが入ったのなら、それは通信エラーであって、受信側でデータ(音)として復元化できません。同じデータが送れて送受信成功です。
連続して読んでいくと、何度読んでもこの原理主義の破壊力というか迫力に別の意味で感心してしまいます。ただし、この辺はまだ断定調の意見書き込みですが、次からは、嫌みや嫌がらせの意図が強まってきてさらに迫力を増します。
電波だなあ。トランスポートの出力のジッタがバッファのメモリに記録されるわけないじゃん笑@やまよう-i7k
microSDよりSDカードが物理的に安定しているとかもうわけわからん笑(中略)ファンレスなノートPCをバッテリー駆動するのが低ノイズそう。音には関係ないと思うけど。
ジッタやバッファ、振動の影響(SDカードやファン)など、デジタルオーディオでもやや高度なテーマに対するご意見なので、レベルの高い内容と思いきや、ありがちな全否定。しかも、「電波だなあ」「笑」という5ch的な下品な嫌がらせが含まれますね。まあ、原理主義者以前のレベルの方だと感じました。中世なら、万有引力や地動説を頭から否定するのみならず、嫌がらせや弾圧に回るタイプでしょうか。
この前も別のサイトに書き込んだが、こんなこと、いくら議論しても@匿名野郎-i1l
何百キロも離れているサーバーから信号が送られているので全く意味なし。
この方も内容がいかにもですし、断定調でしかもあちこちで書き込みしまくっているという短絡的な思考や行動パターンがいかにも原理主義的に感じました。
短いのがいくつかあったので、続けます。
@越野〇〇
ケーブルに音いろはありません@TOCHIKN
特にイーサネットは、、、、SPDIFならまだわかる
最初の越野さんのコメントは、デジタルオーディオ原理主義ではなく「オーディオ原理主義」の一般的なご指摘だと思います。この返信として書き込まれたTOCHIKNさんのコメントが、オーディオ入門層によくあるデジタルオーディオ原理主義者的なご意見だと思いました。
LANでやり取りしてるのはデジタル信号ってことがわかっていればわかる
ここまでくれば、特に解説はいりませんね。
LANケーブルで音が変わるっていうことは、送り側と受け側でデータが変化してしまっているっていうことなのでしょうか?@tetsuji0814さん
そんなことがあったら世の中ひっくり返ってしまいますよ!
慇懃無礼というパターンで、嫌がらせ的表現に工夫が入っていますね。これも違う意味で感心です。
01のデジタルデータがケーブルで変化する事はありえません@mm-vk2om
一部欠損した場合もデータの補完がされます。もうね、デジタルデータの音が変わるとかオカルトですよね。
もうこの方の場合、「訂正」と「補完」の区別すらついていません。オーディオにもデジタルにも詳しくないのがバレバレですね。
LANの信号の実態は結局アナログなんです@sukasuka7371
でも信号にノイズが仮に乗ったとして、規格に入ってさえいればちゃんと復号はして通信に支障しないですけども。
なのでLANケーブルで音質が激変するとは考えにくく、変化はするかも知れないけどごく僅かでしょう。
コメントの中に「通信に支障ない」としていますので、通信とオーディオを混同(同一視)しているのがバレバレですね。この混同もデジタルオーディオ原理主義者の一般的理解(つまり誤解)ですね。
全て「プラシーボ効果」で説明できる@原田〇〇〇
音楽ソフトによって少しは音変わるが音質は変わらない、それよりPCが動いてることが問題。
こういうのは「仮説」もしくは「感想」「考察」というものだと思います。何を根拠に断定しているのでしょうか?デジタルオーディオ原理主義者は、カルト教団信者のように妄信しているので、根拠のないものを真実と思い込むのでしょうか。
この方以外も、今回のまとめで取り上げた人の大部分は、自分の妄信のみを根拠として断定しているようです。まさに原理主義者の典型だと思います。
正しい理解促進のため、デジタルオーディオについてきちんとした書籍(ソース)を参照した動画も公開しています
今回は以上ですが、新しいコメントをが入ったら、随時加筆する予定です
ネット上で「デジタルオーディオ原理主義者」のご意見は散見されるのですが、まとめページはあまりないので、何かに役立つかどうかは不明ですが、まとめてみました。
意外とイイネが多いという現象
デジタルオーディオ原理主義者も、私がそうであったように理解と経験を積んでいくと原理主義から洗脳解除される時期がくると思います。では、原理主義者が減っていくのかというと、そうでもなくて卒業する人よりもおそらく多くの人が入門してくるので、相変わらず多くの原理主義者が存在するとなります。
ご多分に漏れず、信念をもってネット上でも活動するため、今回紹介したコメントの多くは意外なgほど「イイネ」が付いています。「ヨクナイネ」は、私とまともなマニアが押すのですが、多くの方は相手にすらしたくないので「イイネ」が多く、「ヨクナイネ」は少ないという状態になっています。
ネット上でも、弱小YouTubeチャンネルのコメント欄という辺境の地ですので、このような現象になるのだと思います。書いた本人はさらに気をよくして、原理主義活動に励むというよくないパターンが生じますが、辺境の現象なので社会的影響は少ないと放置しています。
今後もコメントがあれば加筆していこうと思います
YouTubeでは、書き込まれるコメント欄はごく一部の人しか見ないので、コメント入れてくれた人に御礼として1対1的に返すことはなるべくしています。
しかし、デジタルオーディオ原理主義者の書き込みにいちいちそうした労力をかける気になりません。まともに言い返すと、完璧に洗脳された考えをお持ちなので、ほぼ狂ったような反論が来るだけで余計厄介です。というわけで、せめてブログに掲載して違う意味でほんの少し光を当ててみたい、という思いなわけです。
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