私はアナログ盤再生は封印しているので、プリアンプはイコライザーアンプが不要でラインアンプで事足ります。CDプレーヤーやDACとパワーアンプとの間に入れて入力切替や音量調節を行うものです。最近では、アッテネーター(トランス式)を導入したので、音量調節の機能も使うことがなくなりました。これによってボリューム(可変抵抗)による音質劣化を低減できたと思っています。
ボリュームによる音質劣化は、かなり大きいとベテランマニアの多くが報告していますので、少なくとも精神衛生上かなりの改善になっていると考えています。
長らく使用(20年弱)してきた自作真空管ラインアンプの12BH7srppには不満はあまりないのですが、マニアの性として、少し違うアンプの音も聞いてみたいと考えるようになりました。
巷で話題の中国製アンプ(デジタルアンプや真空管ラインアンプ)
すっかり市民権を得た中国製デジタルアンプ
中国製の安価なデジタルアンプが、数千円レベルで入手できるのに、そのままでも結構音が良く、電源や球転がし(真空管挿し変え)、ケーブルの変更などの工夫で、結構化けて楽しめることが広く知られるようになりました。
今では、かなりのシステムをメインで構築するようなベテランマニアでも、寝室用などのサブシステムとして導入するような話が当たり前に聞こえてきます。
デジタルアンプと組み合わせる真空管プリアンプ(ラインアンプ)も人気に
大阪の販売会社が、中国に駐在員を置き、安価な機器製造メーカーに部品のカスタマイズを指示して高音質かつ高品質にして販売するというビジネスモデルがこうした低価格オーディオ機器の人気を支えています。
株式会社ノースフラットジャパン(略称NFJ)で、大人気となった小型のデジタルアンプと組み合わせる真空管ラインアンプが、執筆時現在売れ行きNo.1となっているようです。
人気が出すぎて売り切れになる機種も
NFJが売れ行きを伸ばしたことで、別の中国のメーカーも中身がほぼ似たり寄ったりの製品を日本国内に向けて宣伝マーケティングするようになりました。中身が似たり寄ったりというのは、オーディオ以外の製品でも中国製品は良くあるパターンですね。大本が同じでコピーしあったり基板など中身の一部化大部分が共通という事ではないかと思います。別のメーカーでも回路図は同じという事も珍しくありません。
その中でも、こちらの製品は高音質という評判で人気が出すぎて、執筆時現在売り切れ入手難になっているようです。
※その後、在庫状況も改善されたようで、価格も7000-8000円台で販売されているようです。(2022.9月加筆)
AIYIMA TUBE-T7 6N3は、在庫切れが多く、Amazonの方が入手できる場合も
在庫切れの場合、こちらも確認してみて下さい。
音質チェック用に完成ボード+簡易ケースのものを購入してみました
※記事執筆時価格:
価格 | 3,889円 (税込) |
例によって、メーカー表示は買ったものと違いますが、上記が購入したものとほぼ同製品です(冒頭の写真と比較してください)。※いろいろな類似製品を調べていくと「胆汁」という語句が登場することがありますが、おそらく「バッファ」の誤訳と思われます。
こちらは同等品です。これらは売り切れも多いので念のためご紹介しておきます。
球転がしやエージングなどで大化け
一番最近の自作アンプと組み合わせて聴いてみました。
パワーアンプとのゲインがうまく噛み合わないためか、当初は苦労しましたが、後段にアッテネーターを入れることで実用的な範囲で組み込めました。
現行管もビンテージ管も、豊富な互換球があり7ピン5極管というサイズも元のコストも大きくないものなので、いくつか入手したところ、これが大化けしました。
さらに良いのが、本ページ前半で紹介したような完成品と違い、オペアンプのバッファとかブルートゥースとか付いていないので、よりピュアな真空管サウンドが楽しめます。おまけにAC12V入力という事で交流入力なので、音質上いつも悩まされるスイッチング電源とかのACアダプターも不要です。
NFJ製品やこの基板の「6J1」に球転がし可能な真空管(互換球・類似球)は?
もともと中国製の小型7ピン5極管である6J1ですが、ロシアVOSKHOD製6J1Pのコピーで、6J1Pは米国GE製5654Wのコピーです。東西冷戦時代は、西側で開発された真空管のコピーをソ連が開発して、さらに中国など東側の国がコピーするという構図があったようです(まれに東側独自の真空管もあったようですが)。
中国製では6J2や6J3という6J1の改良型互換球もあります。執筆時段階では、6J1のアンプが売れすぎて真空管の在庫に底が付き、こうした互換球が当初から付属した製品として販売されているようです。
他にも日本を含む世界の互換ビンテージ管の規格としては、6AK5、6AU6、6BA6、EF95、5654、5654W、5654RT、6AK5W、6Zh1P、さらにはオーディオ界で伝説のメーカーであるウエスタンエレクトリックの403A、403Bというのも電話設備用や軍事機器用という在庫がまだ流通しているようです。
※押し替えにあたっては、自己責任にて互換性をチェックの上お試しください。万一、何かあっても当サイトでは補償できません。
ちなみに、軍事用というのは、1980年代までごく一部に真空管機材が残っていたため、各国の軍が在庫をメンテナンス用にキープし、機材がなくなった段階で一斉に民間に払い下げられた(というわけで在庫が多い)ようです。有名な「JAN」という記号が付く真空管は、JANが「Joint Army and Navy」の略で、米国軍事規格のことです。英国軍用は「CV」が付いていたりします。人の命がかかっている軍事用なので、不良品の少ない厳しい規格という説があります。
取りあえず試した(球転がし)印象
付属した6J3は、あまり期待していなかったのでまじめに聴いていません。エージング途中に米国球のGE5654Wに変更したためです。とはいえ、これだけ聴いていると悪い印象にはならない、といういつもの中国球の音質といったところかと思います。
そのGE5654Wですが、エージングが終わるまで慎重に鳴らし込みました。やや音が太くなり、欠点も感じず80点くらいの音。GEなど米国のビンテージに大体共通して感じるもので、心理的な影響なのかもしれません。いつも決勝まで残るけど優勝しない、みたいなパターンです。
そして、あこがれのWE(ウエスタンエレクトリック)です。マニアの間では、機材に部品や真空管を1点入れただけでもWEトーンになるという多くの方の共通意見があります。以前、300B復刻生産品を無理して購入した時や、配線材の復刻(コピー?)版を使った時にはそうでもなかったのですが、果たしてどうでしょう?
これは素晴らしすぎて言葉になりません!家宝が一つ増えました。ですが、これ以上値上がりもいやなので、感想はここまでで控えさせていただきます。
ちなみに、WEトーンというのは、はっきりくっきりした感じで、こちらの動画でWE研究家の町田和明さんのシステム空気録音を公開しておりますので、参考にして下さい。
最期に、ネット上で評判の良いロシア(旧ソ連製)6J1P-EVのテスト選別品というのを試しました。さらに、軍事用というものです。WEを聴いた後だったので、期待が萎み、しばらく開封すらせず放置したものです。ところが、意に反してWELLバランス。GEよりも少し透明感を感じて、WEと違い、今時のハイファイサウンドになりました。というわけで、今はこれを常用にしています。
上記の印象を、SNSでオーディオ仲間に発信したところ、R.T.Cの5654RTがとても良かったという報告も受けました。
電源はこちらを購入しました
クリスマスツリー用のトランス式交流アダプターを入手しました。12V1Aなので部品箱を探せばあったかもしれません。基板にトランジスタのリップルフィルタが付いているので、少なくともスイッチング電源や高価なオーディオ用ACDCアダプターで悩むことは無いわけです。
※楽天市場の方が当該品へのリンクとなります。
新しく基板を購入しました
回路図はこちらです
使用部品を検討中です
LEDは不要なので取り付けせず、ボリュームは固定抵抗に置き換える予定(今回の主目的)です。これによって可変抵抗による音質劣化が排除できるわけです。
ネット上の様々な評判や過去の経験から、部品を吟味中です。とりあえず電解コンデンサは東信、抵抗はA&B(アレンブラッドリー)を考えています。
今後進展有りましたら、加筆によるご報告を予定しています。
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